
都市にカラスが集まる理由 生ごみを狙うハシブトガラスの生態
都市では、カラスにごみを荒らされる被害が身近な問題だ。名古屋市は、都市で増えているハシブトガラスの生態や、ごみを荒らされないための具体的な対策を公開している。では、なぜカラスは人が多く集まる都市に集まるのだろうか。
名古屋市によると、都会で増えているハシブトガラスの主な原因は、食べ物となる生ごみが豊富にあることだ。ハシブトガラスはもともと森林に生息するが、都市の街路樹や公園など、森林に似た環境も利用している。さらに、栄養価の高い生ごみを食べることで繁殖率が高まり、雛がたくさん巣立つと考えられている。カラスは主に視覚で餌を探し、赤っぽいものや濡れたものを狙うという。生ごみが袋から見えていたり、袋が破れて中身が露出したりすれば、カラスに餌を見つけられやすくなる。都市にはカラスにとって利用しやすい餌や生息環境があることが、問題の背景にある。
カラスを捕まえてしまえばよい、とは簡単にはいかない。環境省によると、野生鳥獣の捕獲や殺傷は、狩猟などを除いて原則禁止されている。生活環境などへの被害を防ぐため、許可を受けて捕獲することは認められているが、被害があるからといって誰でも自由に捕獲できるわけではない。名古屋市も、餌がある限り捕獲しても別の場所からカラスが集まるため、捕獲は効果的な対策とは考えにくいとしている。
そこで重要になるのが、カラスが利用できる食べ物を減らすことだ。名古屋市は、生ごみを減らす、生ごみを見えないようにして出す、ごみは収集日当日の朝に出す、防鳥ネットでごみ全体を隙間なく覆う、といった対策を示している。ただし、防鳥ネットも万能ではない。網目が大きかったり、隙間があったり、ごみがはみ出したりすれば効果が落ちる。そのため、ネットだけでなく複数の対策を組み合わせることが有効だとしている。カラスを追い払うだけでなく、カラスが街で利用できる食べ物を減らすことが、対策の土台になる。
画像提供:Syced / Wikimedia Commons(カラスに荒らされたごみ袋。都市のカラス対策では、餌となる生ごみを減らすことが重要になる。)

