
特殊材料MOFでCO₂を高純度回収 省エネ分離技術の実用化へ
群馬大学と名古屋大学などの研究グループは15日、二酸化炭素(CO2)を吸い込むと形が変わる特殊な材料「柔軟性MOF(金属有機構造体)」を使い、CO2を連続的に分離・回収する試験に世界で初めて成功したと発表した。火力発電所などの排ガスから高純度のCO2を省エネルギーで取り出す技術として、実用化が期待される。研究成果は国際学術誌に掲載された。
2050年のカーボンニュートラル実現に向け、CO2の回収は重要な課題となっている。しかし、従来の方法はエネルギー消費量やコストが大きい。研究グループが注目した柔軟性MOFは、内部に細かい穴を持つ材料で、一定の圧力に達すると構造が変化して穴が開き、CO2を急激に取り込む。特定のガスを選択的に吸着する性質があり、効率的な分離への応用が期待されていた。
研究グループは、この材料を粒状に固めて装置に詰め、燃焼排ガスを模したCO2濃度10%の混合ガスを使って試験した。圧力を上げてCO2を吸着させた後、減圧して取り出す工程を繰り返した結果、純度95%以上のCO2を回収できた。100回以上の繰り返し運転でも、回収性能は安定していた。
さらに、材料がCO2を吸着する際の特性を利用し、運転時間を調整するための指針も示した。また、常温(25℃)よりも低温(5℃)で運転すると、効率が上がることも確認した。
今後は装置を改良するとともに、実際の排ガスに含まれる水蒸気などの不純物が長期運転に与える影響を調べ、実用化を目指す。

画像提供:群馬大学(冒頭の写真はイメージ)
参考記事
混合ガスからCO2のみを吸着する新素材を開発 京大

