
地球の海の起源に新説、水素大気中で乾いた小石から水を生成
地球には、なぜこれほど大量の水があるのだろうか。長年、隕石などが水を運んできたとする説が有力視されてきたが、米ニューメキシコ大学などの研究チームは24日、『Nature Geoscience』誌で、水を含まない乾いた岩石からでも地球自身が水を作り出した可能性を実験で示した。
地球誕生から最初の数百万年間、太陽系がまだガスと塵の円盤に包まれていた頃、周囲には水素を主成分とするガスが立ち込めていた。そこへ宇宙から直径数mm~数cmの小石が降り注ぎ、地球が形作られていったと考えられている。
同研究チームはこれを再現するため、水をほとんど含まない玄武岩などを高温の水素ガス中で加熱した。すると、岩石中の「酸化鉄」(鉄が酸素と結びついた成分)が水素と反応して金属の鉄に変わり、その際に水蒸気が発生した。数時間のうちに酸化鉄の多くが鉄へと変わり、まとまった量の水ができることが確認された。つまり、外から水そのものを運んでこなくても、地球の材料と周囲の水素が反応すれば水は生まれうるということだ。
ここで一つの疑問が浮かぶ。軽い水素は、すぐ宇宙へ逃げてしまわないのか。この水素に富む大気は、地球形成初期の数百万年ほど、ガスと塵の円盤がまだ地球を取り巻いていた時期に存在していたと考えられている。水素が宇宙へ逃げれば、この反応によって水を作る仕組みも変化するため、水素がどの程度残っていたのかも重要になる。
では、発生した水蒸気も一緒に宇宙へ逃げたのだろうか。水蒸気が地球にどの程度残り、海の形成にどれほど寄与したのかは、今回の実験だけでは分からない。また、現在の地球の海水に含まれる水素の同位体比は「炭素質隕石」という隕石の値に近く、これが従来の隕石由来説の根拠の一つとされてきた。しかし、水素が宇宙に逃げる際に軽い成分から先に失われることで、この比率が時間とともに変わりうるという理論もあり、水の起源についてまだ決着はついていない。
同研究チームによる今回の結果は、数時間の室内実験に基づくものであるため、この仕組みで作られた水が、現在の地球にある海全体のどれくらいを占めているかは、今後の検証課題だ。
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