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兵庫で1億年前の巨大カルデラが見つかる 「赤穂コールドロン」と命名

産業技術総合研究所が兵庫県赤穂市の地質調査を実施し、後期白亜紀(1億50万年前~6600万年前)に、火山活動でできたくぼ地の「カルデラ」が複数あったことが判明した。産総研が8日に発表した。

産総研は全国各地の地質を調査しているが、これまで赤穂市地域の地質の調査は進んでいなかった。今回、播州赤穂地域の地表調査を2011年から2013年の3年間にわたり実施した。堆積物の分布や種類を調べ、採取した岩石の年代を測定し、地質を4つの年代に区分した。後期白亜紀時代に起きた巨大な火山噴火によってカルデラが複数形成されたことが分かった。

カルデラとは火山活動によってできた大きなくぼ地状の地形のことで、日本では熊本にある阿蘇カルデラや鹿児島にある姶良カルデラが国内最大級のカルデラとして有名。今回判明したカルデラは、当時、阿蘇カルデラ級の規模だったという。現在、赤穂地域は浸食などによってくぼ地状ではなくなっているため、火山性の陥没構造の総称コールドロンからとって、今回「赤穂コールドロン」と命名した。

また、赤穂地域にある日本最大級のろう石鉱床や金鉱床が後期白亜紀に形成されたことも明らかになった。地質がより詳細に分かったことで、鉱床の成因や新たな鉱山開発、土木建設のための資料、また、観光資源となりうるとしている。

画像提供:産業技術総合研究所
「播州赤穂」地域の地質図幅の一部(一部修正、加筆)
図中の実線がコールドロン縁で、破線は推定。

 
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