男性の平均寿命 なぜ短い? WHOが検証リポート

男性の平均寿命、なぜ短い? WHOが検証リポート

世界保健機構(WHO)は、世界的に女性の平均寿命が男性よりも長いことについて、詳しい検証リポートを発表。4日付の独シュピーゲル誌オンライン版がこれを、6つのトピックに分けて伝えた。WHOは人間の健康についての調査を毎年実施しており、今年は男女の異なる平均寿命に着目した。

 

1 新生児の数は男児の方が女児より多い。しかし、時間が立つとこれが逆転する

2019年の新生児出生数は1億4100万人以上になるとWHOは見積もっている。このうち男の子が7300万人、女の子が6800万人と予想されている。女の子100人に対して、男の子107人という割合だ。ただしこの人数比は、時間とともに逆転する。

女の子の方が強い免疫力を持ち、乳幼児期を生き延びる確率が高いことも指摘されている。2017年の調査では、5歳の誕生日を待たずに亡くなる男児の割合は女児よりも11%高かった。

 

2 女性はただ長生きするだけではなく、健康寿命も長い

人類の平均寿命も世界的に上昇しており、今生まれた子どもたちは、男性70歳、女性74歳まで生きると予想されている。この寿命は2000年と比較して5年延びている。人類の健康寿命も延びており、男性は62歳、女性は64.8歳となっている。

 

3 男性の交通事故死率は女性の2倍

男性の平均寿命の短さには多くの要因があるが、最も大きな要因と考えられるものは以下の通り。

・虚血性心臓疾患
・交通事故
・肺がん
・その他、慢性的な肺疾患

病気以外の要因として興味深いのが「交通事故」だ。交通関係の仕事に従事している男性の数は女性に比べて圧倒的に多く、したがって、交通事故の犠牲にもなりやすい。15歳以上の男性が交通事故で死亡するケースは、女性の2倍に上る。

 

4 男女の平均寿命差は、豊かな国の方が大きい

この理由のひとつとして、妊娠・出産時に女性が死亡するケースが、開発途上国で圧倒的に多いことが挙げられる。途上国では41人に1人の妊婦が、妊娠中または出産によって死亡しているのに対し、先進工業国ではこの数字は3300人に1人となっている。また開発途上国では感染症による死亡ケースが多く、これに男女の差はない。

一方で裕福な先進工業国では、環境や不健康なライフスタイルが原因で、男性は平均寿命を下げている。アルコール消費量および喫煙量も先進国の方が圧倒的に高く、2016年の調査では、このうち男性は女性の5倍喫煙者が多く、アルコール飲料の消費量は4倍多いという。

 

5 自殺と殺人

WHOの調査によると、人口比で最も多くの殺人事件が起きているのが南米から中米、北米にかけてのアメリカ地域で、同様に人口比で最も自殺者が多いのがロシアを含む欧州地域だ。ここにも男女差が存在し、殺人事件の犠牲者となるのは男性が女性の4倍で、自殺者の75%は男性だ。

 

6 男性は健康管理に無関心

男性と女性が同じ病気にかかったとしても、男性の方がそれに対応するのが遅い。たとえばHIVや結核のような感染疾患にかかった場合、男性の方が検診も含めて医療にかかるのが遅く、すでに悪化した状態で医療機関を訪れることが多いという。

(写真はイメージ)