特別天然記念物ニホンライチョウを動物園で飼育繁殖

 環境省は、5月25日、絶滅危惧種であり国の特別天然記念物であるニホンライチョウの飼育繁殖の事業について発表した。ニホンライチョウの保護増殖事業は、日本動物園水族館協会、東京都(上野動物園)及び富山市(富山市ファミリーパーク)が主体となって行う。ライチョウの飼育下での繁殖技術を確立し、野生復帰させ得る資質を備えた生息域外個体群を形成、維持するとともに、動物園等における普及啓発を推進するのが目的。

 上野動物園では近縁の亜種であるスバールバルライチョウの飼育繁殖に既に取り組んで成功している。事業計画の期間は2015年5月29日から10年間。飼育下の繁殖と生息地への再導入の検討の他にも、生息状況の把握や生息環境の維持と改善なども行われる。関係公共団体と専門家、地元の保護活動団体、観光関係者、地域住民などの連携も図る。

 ライチョウはキジ目ライチョウ科。体長約37cm、体重400~450g。本州中部高山帯に生息する。日本に生息するライチョウは、世界に分布するライチョウ(23亜種)の中で、最南端に隔離分布する亜種で、日本列島が地続きであった最終氷期に大陸から移り棲み、その後温暖になるとともに高山帯に取り残された氷河期の依存種とされている。羽色は季節によって変化し、夏羽では黒褐色に白斑が混じり、冬には尾羽を除き純白になる。オスには目の上に赤いトサカがあり、春の繁殖期にもっともよく目立つようになる。個体数は1980年代には約3000羽に、2000年代には2000羽弱に減少したと推定されている。

関連記事一覧