20~30代のテレビ離れ加速が明らかに NHK調べ

NHK放送文化研究所は7日、1985年から5年に一度実施している世論調査「日本人とテレビ」で、初めてテレビ視聴時間が短時間化傾向になったと公表した。2010年に実施した前回調査に比べ、「ほとんど、まったく見ない」と回答した人が2ポイント増の6%、2時間以内の短時間視聴が3ポイント増の38%であった。これは1985年から2010年までの「長時間化」とは逆の傾向であり、テレビの視聴が減少していることが明らかになった。

20~30代のテレビ離れ加速が明らかに NHK調べ
(出典:NHK放送文化研究所・世論調査部「日本人とテレビ 2015」調査)

特に20~30代で「ほとんど、まったく見ない」が大幅に増加し、20代は前回比8ポイント増の16%、30代は前回比5ポイント増の13%だった。また2時間以内の短時間視聴も20代は前回比11ポイント増の51%、30代は3ポイント増の46%となり、「ほとんど、まったく見ない」と2時間以内視聴を合わせると、20代は全体の66%、30代は全体の59%となっている。

20~30代のテレビ離れ加速が明らかに NHK調べ
(出典:同上)

またテレビの必要性についての項目では、「必要ない」と答えた割合が最も高いのは男性30代で19%、女性16~29歳で15%となり、ともに前回調査より6ポイント増加した。

週に1回以上メディアに接する人を対象に集計した「メディア別接触頻度」項目では、テレビが89%、新聞が71%と変わらず接触頻度は高いものの、インターネットは前回比10ポイント増の56%、録画したテレビ番組は前回比14ポイント増の49%と、テレビと新聞に迫る勢いとなった。特に「動画視聴行動」項目において、「テレビよりインターネット動画の方が面白いと思う」と回答した人が、30代で45%、20代で54%、16~19歳で66%と非常に高くなっており、「見逃したテレビ番組を動画サイトで見る」と回答した人も20代で43%、16~19歳で51%と、決まった時間にテレビ番組を見る傾向がなくなってきていることが若者を中心に顕著になっている。