米株式週報

【世界が見える! 米株ウォッチ】地政学リスクの高まりで下落基調

アメリカ株式市場で見る世界動向通信

4月10~13日のニューヨーク株式市場、ダウ平均株価(30種)は、シリアや北朝鮮に対する米国の動きについて、一気に高まった地政学的リスクが意識され下落基調だった。14日の米国市場は、グッドフライデーで休場だった。

10日のダウは、前週末比1.92ドル上昇の2万658.02ドルで小幅高となった。週末に控えた大手金融の決算への期待や原油価格の上昇が好感された。中国が北朝鮮との国境に15万人の軍を送ったとの報道があり、一時下げ幅を拡大した。前日には米国がシリアを空爆したことや、米原子力空母が朝鮮半島付近に接近していることが報じられ、この日はフランス大統領選まで1週間となるなど、国際情勢が意識されている。

11日は小幅に下落、ダウは2万651.3ドルだった。原油はサウジアラビアが減産延長を望んでいると伝わり上昇し、エネルギー関連銘柄が買われた。トランプ米大統領が自身のツイッターで、北朝鮮に対して中国の協力が得られなくても自国だけで行動を起こすと発信し、北朝鮮が反発を示した。また、ロシアが米国の軍事行動の可能性に対する懸念を表明し、地政学リスクが高まった。

12日は続落、ダウは2万591.86ドルだった。北朝鮮が外国人記者に対して重要イベントに備えるようにと通達したことが嫌気された。トランプ大統領が、税制改革よりオバマケア代替法に注力することなどについて発言したことを受けて、政策関連株が売られた。

13日は大幅続落、ダウは2万453.25ドルだった。米軍が、通常兵器の中で核兵器を除くと最強の破壊力を持つGEU-43で、アフガニスタンの過激派組織イスラム国の拠点を空爆したことが報じられ、投資家心理を冷やした。明言はしていないが、北朝鮮を牽制する狙いも透ける。全面安となる中、防衛関連銘柄は上昇した。

14日は休場。16日のイースター(復活祭)前の金曜日で、イエス・キリストが十字架に架けられて処刑された日とされ、米国ではグッドフライデー(聖なる金曜日)と呼ばれる祝日だった。

(写真はイメージ)

 
Facebook Like!