
子どもの口呼吸や噛む回数が、歯並び悪化に関与する可能性
ライオンは21日、弘前大学、青森県黒石市との共同研究で、子どもの睡眠時の口呼吸や食事であまり噛まない習慣が、将来的な歯並び悪化に関与する可能性を確認したと発表した。7年間にわたり実施されたもので、同一自治体の全小学校を対象に、同じ児童を継続して追跡した全国でも珍しい取り組みだ。
歯並びや噛み合わせが悪くなると、食べ物を十分に噛みにくくなるだけでなく、歯が重なった部分に汚れがたまりやすくなり、むし歯などのリスクが高まる可能性がある。一方で、成長期の生活習慣や癖との関係は指摘されてきたものの、長期間にわたって同じ子どもを追跡した研究は多くなかった。
今回の研究は、2019年度から2025年度までの7年間にわたり、黒石市内の全小学校を対象に実施された。毎年、歯並びの写真を撮影するとともに、保護者へのアンケートや学校歯科健診のデータをもとに分析を行った。
小学3、4年生の時点で歯並びに問題がなかった272人を対象に解析したところ、「睡眠時に口がよく開いている」または「時々開いている」と保護者が回答した児童は、2年後に歯並びが悪化した割合が、それ以外の児童より有意に高かった。また、「食事の際にあまり噛んでいない」と保護者が回答した児童も、しっかり噛んでいる児童に比べて、2年後に歯並びが悪化した割合が有意に高いことが確認された。
さらに、黒石市で本研究の結果を児童や保護者へ伝える取り組みや、学校での口腔保健教育を進めた結果、本研究の参加者が含まれる2020年度以降、12歳児の永久歯のむし歯経験歯数が減少傾向にあることも確認された。研究グループは、産学官が連携した健康教育の取り組みが、その一因となった可能性があるとしている。
今回の結果は、成長期の子どもにおいて、睡眠中に口を閉じて鼻で呼吸することや、食事の際によく噛むことが、将来的な歯並び悪化の予防につながる可能性を示すものとなった。
(写真はイメージ)

