
河川の細菌が「永遠の化学物質」PFAS除去 環境負荷少ない浄化技術 神戸大
神戸大学は15日、河川に生息する細菌が、「永遠の化学物質」と呼ばれるPFAS(有機フッ素化合物)を除去できることを確認したと発表した。実際の産業廃棄物処分場の侵出水を使った実験では、一部のPFASを最大97%減らすことに成功した。世界的な課題となっているPFAS汚染に対し、微生物を利用した低コストで環境負荷の少ない浄化技術の実用化につながる可能性がある。研究成果は国際学術誌に掲載された。
PFASは、撥水性・撥油性・耐熱性・耐薬品性に優れているため、フライパンの表面加工や泡消火剤、半導体製造など幅広い用途で使われてきた。炭素とフッ素の結合が非常に強く、自然界ではほとんど分解されないことから「永遠の化学物質」と呼ばれる。近年は河川や地下水、土壌だけでなく人体からも検出され、健康への影響が懸念されている。日本でも2026年から代表的なPFASであるPFOSとPFOAについて水道水の基準値が設けられるなど、規制が進められている。
現在のPFAS除去には活性炭や特殊な膜などを使う方法が主流だが、設備や運用に高いコストがかかる。このため近年は、微生物の働きを利用して汚染物質を取り除く「バイオレメディエーション」が注目されているが、PFASを除去できる微生物はほとんど見つかっていなかった。
研究グループは、大阪府内のPFASで汚染された河川底質から7種類の細菌を分離し、その働きを調べた。その結果、一部の細菌はPFOSを最大17.8%、PFOAを最大14.1%減少させた。さらに、産業廃棄物最終処分場の浸出水を使った試験では、複数のPFAS濃度を低下させ、PFASの一種であるPFHxSについては、最大97%という高い除去率を確認した。また、PFASを減らす仕組みとして、細菌が物質を分解するだけでなく、細胞表面に吸着して取り除く働きが重要であるという可能性も示された。
今後は、PFASが実際に分解されているのか、あるいは別の物質に変化しているのかを詳しく調べるとともに、長期的な安全性などを検証する。さらに、浄水施設や廃棄物処分場などで利用できる実用的な環境浄化技術の確立を目指す。

画像提供:神戸大学

