レッドリスト最新版発表 絶滅種の再発見も

レッドリスト最新版発表 絶滅種の再発見も

国際自然保護連合(IUCN)は5日、世界の絶滅危惧種をまとめたIUCNレッドリストの最新版を発表。9万3577種が評価され、そのうち2万6197種が絶滅危惧種に分類された。特にオーストラリア固有の爬虫類が、外来種や気候変動により深刻な危機に直面しているという。一方、絶滅したとされていた南米の4種の両生類が再発見されたというニュースもあった。

オーストラリアの爬虫類は、外来種と気候変動の影響によって7%が絶滅の危機にある。レッドリストには、現在、オーストラリアのほぼすべての爬虫類にあたる975種が掲載され、大部分は固有種。このうち、外来種による影響が半数近くを占めている。外来の野良猫だけで、年間6億匹もの爬虫類が殺されているという。野良猫に捕食されている爬虫類の一つが、小型のトカゲ「グラスランド・イヤレス・ドラゴン」で、3段階ある絶滅危惧の3番目(危急種)から2番目(絶滅危惧種)に危機度が上がった。その他の外来種として、1935年にオーストラリアに持ち込まれた有毒のオオヒキガエルがいる。絶滅危惧の1番目(近絶滅種)に分類された「ミッチェル・オオトカゲ」は、オオヒキガエルによって捕食され、地域によっては97%の個体数が減少した。

インド洋のモーリシャス島とリユニオン島にしか生息していない大型コウモリ「モーリシャス・オオコウモリ」は、危急種から絶滅危惧種に分類が移った。このコウモリは、固有の植物の受粉を助け、種子を拡散させるなどモーリシャス諸島の生態系で重要な役割を果たしている。しかし、ライチやマンゴーなどの果物を食べることからコウモリの駆除がモーリシャス政府によって実施され、推定個体数が2015年から2016年の間に半減した。IUCNは駆除によって種の絶滅の危機が近づくと警告した結果、2016年以降の駆除は行われていない。

世界的に両生類は高い危機レベルにあるが、近絶滅種または絶滅したと考えられていた4種の両生類が、コロンビアとエクアドルで再発見されるという嬉しいニュースもあった。3種のアテロパス属のカエルは、致死性の高いカエルツボカビ症のせいで絶滅したと考えられていた。また「カーチ・アンデス・トード」は、生息地の喪失によって非常に大きな影響を受けており、永久にいなくなったと考えられていた。

今回、日本在来のミミズ43種も評価された。このうち三陸や牡鹿おしか地方の「オオフナトジュズイミミズ」など3種が絶滅の危機にあるとみなされた。集約的農業、都市の拡大、第二次世界大戦、2011年の福島第一原発事故による放射性降下物が影響しているとした。

また、世界でもっとも価値のある木の一種であり、インドネシアやマレーシアに分布するマラッカ沈香(アキラリア・マラセンシス)が、伐採と森林破壊によりこの150年で80%以上個体数が減ったことで、危急種から絶滅危惧種に再評価された。沈香は、木の中心部に侵入してきたカビに対し、防衛機能として木がつくる黒く香ばしい樹脂からつくられる。どの野生の樹木に沈香ができているかを見分けるのは難しく、違法伐採者が沈香を見つけるために大量に伐採したことが急減につながったという。

画像提供:IUCN

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