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クロアチアで世界最古のチーズの残骸を発見

クロアチアで7000年以上前の世界最古のチーズを発見

地中海沿岸地域では、7000年以上前からチーズが生産されていた――。米ペンシルベニア州立大学のサラ・マクルーア准教授らの考古学研究グループが、チーズの残留物としては世界最古と見られるものをクロアチアのダルマチア海岸周辺で発掘、科学専門誌プロス・ワン(PloS one)に発表した。5日付の南ドイツ新聞オンライン版が伝えた。

クロアチアのダルマチア地方は、アドリア海を挟んでイタリアの対岸となる沿岸地域一帯を指す。同研究グループが同地域2カ所で様々な時代の土片を調査したところ、7700年前の土片の中から、乳製品の残骸と思われるものが発見された。また、7200年前のものと思われる容器の中にもチーズの痕跡を発見した。

脂肪酸を分析する技術の進化によって、人類がどの時期からチーズなどの固形乳製品を生産していたのかを突き止めることが可能になったと、同研究チームは述べている。また、この少し前には別の研究グループがエジプトで、3200年前のものと思われるチーズの残骸を発掘していた。

ペンシルベニア州立大学の研究グループは、今回調査した地域に当時住んでいた人々が、生産した様々な食品を陶製の容器に入れていたと推測。牛乳や乳製品は当時の人たちにとって、乳幼児死亡率の軽減に貢献する新たな食品だったと見ている。特にチーズは、栄養価に富み、長期保存が可能で、持ち運びができる特性を持つことから、人類の発展にも大きく貢献した可能性が指摘されている。また、牛乳をヨーグルトやチーズに加工する過程でラクトース(乳糖)が減少するため、乳糖不耐性だったと見られる当時の農民たちにとっても、チーズは貴重な食品だったと考えられる。

(写真はイメージ)