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広島市の原爆ドーム 国の特別史跡の指定へ

広島市の原爆ドーム 国の特別史跡の指定へ

広島市にある原爆ドームが史跡の中でも特に価値が高いとされる特別史跡に指定されることになった。これは6月20日の文化庁の文化審議会で答申された。

原爆ドームは、1945年8月6日、アメリカ軍が広島に投下した原子爆弾により被爆した建物の一つ。1915年に建築された鉄骨入りレンガ・石造の建物で、県下の物産品の展示・販売を行うほか、博物館・美術館の会場として利用されていた。原爆が投下された場所からわずか160メートルに位置していたため、ほぼ真上から爆風と熱線を受けて内部は全焼したが、奇跡的に倒壊を免れた。1950年頃までには原爆ドームと呼ばれるようなり、原爆の恐ろしさを訴える象徴として注目を集めるようになる。1966年に広島市議会は、原爆ドームを完全に保存し後世に残すことは、原爆で亡くなった人々に対しても世界の平和を願う人々に対しても、我々が果たさなければならない義務とする決議を可決し、これまでに5度の保存工事が行われた。1995年に史跡に指定され、翌年の1996年にはユネスコの世界文化遺産にも登録された。

原爆ドームが現在も被爆当時の姿を保っており、人類史上初めて投下された原子爆弾の惨禍を示す、被爆遺構の中でも象徴的な存在であるとして、特別史跡に指定されることとなった。