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次の火星探査機の着陸地点を検討中 NASA

2020年の火星探査機の着陸地点めぐり、NASAがワークショップ開催

2020年の火星探査機「マーズ2020」の着陸地点はどこか――? 米航空宇宙局(NASA)は米国時間で16~18日の3日間にわたり、カリフォルニア州グレンデールのヒルトン・ロサンゼルス・ノース/グレンデールでワークショップを開催した。これは、科学界からの広範な意見を受け取ることができるように、2014年から毎年開催してきた一連のワークショップの4回目であり最終回となるものだ。

マーズ2020は、2020年7月にフロリダのケープカナベラル空軍基地からアトラスVロケットで打ち上げられ、2021年2月に火星に到着する予定。古代の火星で生命が生存可能な状態の兆候を探るだけでなく、過去に微生物が生活していた兆候を探ることをミッションとしている。探査機を使って火星表面の岩石と土壌のサンプルを収集し、封印されたチューブに封入、それらを惑星の表面に残して、将来の火星探査の際に地球に送り返せるようにする計画だ。

2014年のワークショップでは、約30の着陸候補地が提示された。2015年のワークショップでは、8つの候補地に絞り込まれた。2017年のワークショップではコロンビア・ヒルズ、イェゼロ・クレーター、シルチス北東部の3カ所に絞り込まれたが、その後、イェゼロ・クレーターとシルチス北東部の間にあるミッドウェイと呼んでいる着陸地点の提案があった。今回はその4カ所の最終候補地について話し合われた。

最終日の19日、すべてのプレゼンテーションが終了した後、ワークショップ参加者は各候補地の利点と欠点を検討して投票した結果、主要ミッションについてはシルチス北東部が11.8、イェゼロ・クレーターが11.7、ミッドウェイが11.3、コロンビア・ヒルズが9.3だった。拡張ミッションについては、ミッドウェイとイェゼロが12.5で同点、シルチス北東部が11.5、コロンビア・ヒルズが8.5だった。これらの審議の結果は、最終決定を行なうワシントンのNASA本部への勧告に組み込まれる。マーズ2020の着陸地点の発表は、年末までに予定されている。

「マーズ2020着陸地点は、今後10年間、火星探査の舞台になる可能性がある。これらのサンプルは、地球に戻った後、歴史の中で最も分析された土壌サンプルになる可能性が高い」とワシントンのNASA本部の科学ミッション・ディレクターであるトーマス・ツルーチェン副総裁は語っている。

画像提供:NASA / JPL-Caltech