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NASAニューホライズンズ、最果ての星「ウルティマ・トゥーレ」に接近

NASAニューホライズンズ、最果ての星「ウルティマ・トゥーレ」に接近

米航空宇宙局(NASA)は探査機「ニューホライズンズ」が、日本時間で元日の午後2時33分に「ウルティマ・トゥーレ」(世界の最果て)と呼ばれるカイパーベルト天体まで3500kmと最接近し、時速5万1000kmを超えるスピードで史上最速の通過(フライバイ)を達成したと発表した。ニューホライズンズは2015年に冥王星に最接近した探査機。ウルティマ・トゥーレは地球から64億kmも離れており、探査機が到達した最も離れた天体となる。

コロラド州ボルダーにあるサウスウェスト研究所の主任研究員アラン・スターン氏は、「このフライバイは歴史的な成果。ニューホライズンズは、最先端の宇宙船ナビゲーションの新たな基準を打ち立てた」と述べた。

また、接近中の2万7000kmから撮られた画像から、ウルティマ・トゥーレはボウリングのピンに似た形をした2つの繋がった球からなることも明らかになった。端から端までの長さは31kmで、チームはより大きい球を「ウルティマ」(幅19km)、小さい球を「トゥーレ」(幅14km)と名付けた。

チームの地質学および地球物理学のリーダーであるジェフ・ムーア氏は、「ウルティマ・トゥーレを研究することは、私たちがどのようにして惑星が形成されるのかを理解する助けになる」と語った。

地球から見ると探査機は太陽の後ろを通過するため、ニューホライズンズからのデータ伝送は約1週間休止している。データ送信は10日に再開され、ウルティマ・トゥーレの高解像度画像などの貴重な観測データは20カ月かけて伝送される予定だ。

ニューホライズンズは2006年1月に打ち上げられ、9年後に冥王星とその衛星カロンをフライバイしてカイパーベルトの探査を始めており、少なくとも2021年まで探査を続ける予定。

画像提供:NASA(冒頭の写真はイメージ)