2015年ノーベル生理学・医学賞に大村智さんら

スウェーデンのカロリンスカ研究所は5日、今年のノーベル生理学・医学賞を大村智さん(北里大学特別栄誉教授)ら3名に贈ると発表した。受賞理由は「寄生虫によって引き起こされる感染症に対する新しい治療法の発見」。大村さんとアイルランド出身のウィリアム・キャンベルさん(米国ドリュー大学)が4分の1ずつの共同受賞、中国のトゥー・ユーユーさん(中国中医科学院)が2分の1の受賞。

大村さんは1970年代に、伊豆半島のゴルフ場近くで採取した土壌から、ウシやブタの体内にいる線虫を殺す細菌を見つけ、その細菌が産出する抗生物質を「エバーメクチン」と名付けた。その構造の一部を変え、イヌなどに感染するフィラリアや、ウシやブタなど動物のさまざまな感染症に効く抗寄生虫薬「イベルメクチン」を開発した。後に人間の寄生虫による感染症にも効果があることがわかり、蚊やブヨが人間を刺すことで体内に入った線虫により激しいかゆみや失明を起こす「オンコセルカ症」や、足が象のように大きく腫れてしまう「リンパ系フィラリア症」などの熱帯病に対する特効薬として利用されている。世界保健機構(WHO)を通じて2億人以上に投与された。

2001年にノーベル化学賞を受賞した野依良治さん(科学技術振興機構 研究開発戦略センター長)は、「『国籍を問わず、人類の福祉に最も貢献した人に授賞する』という、アルフレッド・ノーベルの遺言に最も合致するのが今回の授賞です。世界の科学者たちが喝采する出来事で、特に日本がお家芸としてきた天然物有機化学が医学に絶大な貢献をもたらしたことを嬉しく思います」とコメントを寄せた。

画像提供:北里大学

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