溶け落ちた核燃料を宇宙線で透視へ 福島第1原発

 高エネルギー加速器研究機構(KEK)と国際廃炉研究開発機構(IRID)は9日、東京電力福島第1原発の原子炉内で溶け落ちた核燃料(デブリ)の位置を調べるために、宇宙線から生じる「ミュー粒子」を用いて透視する実証実験を開始した。デブリは強い放射線を出しているため、位置を把握することは廃炉を進める上で欠かせないが、これまで位置はわからなかった。16日から観測を始め、3月中に結果を公表する予定。
 ミュー粒子は数kmの岩盤も突き抜けるほど透過する能力が高いが、ウランやプルトニウムといった高密度の物質には吸収されたり、向きを変えたりする。この性質を用いて、火山やピラミッドの内部調査に使われてきた。
 今回は、壊れた原子炉建屋の周囲で一定期間、観測することで、レントゲンのように原子炉内のデブリの形状が分かると期待されている。しかし、今回の実証試験でも、格納容器の底に落ちたデブリは把握できないとされている。

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