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「サマータイムは本当に廃止されるのか?」ドイツで懐疑論

「サマータイムは本当に廃止されるのか?」ドイツで懐疑論

欧州では10月25日の深夜にサマータイム(夏時間)が終了し、通常時間(冬時間)に戻った。これに対しドイツ国内では、「サマータイムの時間切り替え廃止は、2年前にEUで決定したはず」「いつまで時間切り替えを続けなければならないのか?」といった声が高まっている。

夏と冬の日照時間の差が大きい欧州では、3月の最終日曜日に時計の針を1時間進め、10月の最終日曜日に1時間戻すことで、日中時間を有効利用できるよう調整(サマータイム制度)が行われている。これに対し近年、「人間および動物本来のバイオリズムに逆らう制度だ」などと反対意見が高まり、2018年にEU加盟国28カ国の市民に対して意見公募(パブリックコメント)が実施された。この結果、84%が同制度廃止への希望を表明。EU議会でも賛成票が大多数を獲得し、正式に廃止が決定した。

EU議会は、遅くとも2021年10月までにサマータイム制度の廃止を発表しているが、この前にEU加盟国28カ国では固定の時間を夏時間にするか冬時間にするかの決定がなされなければならない。ただし、これに対して各国がばらばらの決定をした場合、EU内で夏時間の国と冬時間の国が存在し、混乱をきたす可能性があることが懸念されている。

公共放送ARDの「ターゲスシャウ」が伝えたところによると、現状としてはこれに対する各国内での意見調整は進んでおらず、またサマータイム制度廃止に強い関心を示しているのはもっぱらドイツ人で、ギリシャ人やポルトガル人は同件への関心が低いといったEU加盟国間での「温度差」も指摘されている。

ドイツ代表EU議会議員のペーター・リーゼ氏は同件に関して、「まずはコロナ危機が終わってから、サマータイム制度は改めて議題に上るだろう」とコメントしている。

(写真はイメージ)

欧州で2021年からサマータイム廃止へ EU議会が可決

欧州サマータイム廃止の意向 460万人の意見公募を受けて