太平洋のマグロ資源を守る 島国の違法漁業対策と日本の役割

太平洋ではマグロが重要な漁業資源になっている。日本人にも身近なマグロだが、その生息海域にはパラオやキリバス、マーシャル諸島など太平洋島嶼国の広大な排他的経済水域(EEZ)も含まれる。国土は小さくても、海まで小さいわけではない。島国にとって海は、食料や収入、雇用を生み出す重要な資源だ。

中西部太平洋では2024年、カツオやキハダ、メバチなどのマグロ類が約306万トン漁獲され、世界のマグロ漁獲量の約55%を占めた。島国は自国のEEZで漁業を行うだけでなく、外国の漁船に漁業を認め、その対価として収入を得ることもある。一方、魚の獲りすぎや違法な漁獲(密漁)、漁獲量の無報告、ルールの対象外で行われる「IUU(違法・無報告・無規制)漁業」を防ぐ必要もある。マグロは国境を越えて回遊するため、一国だけで管理するのは難しい。

8月30日から9月4日までパラオで開かれた第55回太平洋諸島フォーラム(PIF)首脳会議に合わせた海洋関連の協議でも、漁業や海洋政策が議論された。太平洋諸島フォーラム漁業機関(FFA)には17の加盟国があり、各国が自国のEEZの漁業資源を持続的に管理できるよう支援している。また、地域で情報を共有し、IUU漁業への対策も進めている。さらに、魚を輸出するだけでなく、地域内で加工などの付加価値を高め、雇用や収入につなげる取り組みも進んでいる。

こうした動きは日本にも関係する。日本はPIF加盟国ではないが、協力関係にある「対話パートナー」として太平洋のマグロ漁業と深く関わっている。持続可能な漁業には、漁獲量を管理するだけでなく、違法漁業を防ぎ、太平洋島嶼国が海から得る利益を高めることも重要だ。小さな国土の島国が持つ広大な海を守り、その恵みを自分たちの経済にも生かす取り組みが、太平洋で進んでいる。

(冒頭の写真はイメージ)