大型商船向け水素エンジンの陸上運転に成功 排出ガス95%以上削減

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は8日、大型商船向けの水素燃料エンジンの陸上運転試験に世界で初めて成功した発表した。従来の重油エンジンに比べ、温室効果ガス(GHG)の排出量を95%以上削減できることを確認した。ジャパンエンジンコーポレーションが開発を進め、7日に工場で披露された。

2050年にカーボンニュートラルを実現するために、国際海運では次世代燃料エンジンの開発が急務となっている。今回完成したエンジンは、水素を高圧でシリンダーに直接噴射する方式を採用し、安定した燃焼を実現した。工場での試験では、燃料に占める水素の割合(水素混焼率)を95%以上に高め、温室効果ガス排出を大幅に抑えることに成功した。水素漏れを防ぐ二重管などの安全対策も施し、日本海事協会の立ち会いのもとで試験を完了した。

このエンジンは、商船三井などが建造する1万7500重量トン型の多目的船に搭載される予定だ。2027年に出荷し、2028年4月から実船での実証試験を始める。川崎重工業が開発した水素供給システムから燃料を供給し、実際の運航条件下での耐久性などを検証する。

海運は世界の物流を支える重要な産業だが、燃料によるCO2排出が課題だった。今回の成果は、大型船でも水素を本格的に使える道を開き、海運の脱炭素化を大きく前進させるもので、今後の実船試験が成功すればクリーンな国際輸送の実現に近づくという。

画像提供:NEDO
多目的船(1万7500重量トン型)(完成予想図)
「グリーンイノベーション基金事業/舶用水素エンジンおよびMHFSの開発」プロジェクト