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能登中島駅で、鉄道郵便車「オユ10」に出会う

北陸の奥能登を走る「のと鉄道」の能登中島駅に、鉄道郵便車「オユ10 2565」が展示されている。鉄道郵便車は1986(昭和61)年に廃止されるまで、114年もの間、日本国有鉄道(現在のJR)や一部の私鉄路線を走りながら全国に郵便物を届けていた。この車両には旧郵政省の乗務員が乗り、郵便物を運ぶだけではなく、車内で区分け作業をしながら沿線の駅で積み下ろす仕事もしていたそうだ。別名「走る郵便局」と呼ばれていた。

展示されているオユ形式の郵便車は、旧郵政省が保有する昭和時代後期を代表する形式だったが、その大半が昭和61年の鉄道郵便輸送の廃止を待たずに廃車された中で、奇跡的に生き残り、石川県の第3セクター「のと鉄道」に譲渡された。1998(平成10)年には「ふるさと鉄道保存会」がのと鉄道より譲渡を受け、車体補修をしながら公開イベントを開始し、保存活動が始まった。保存されている郵便車は全国でたった2車両だけ。ここと、東京の国立市にもう1車両ある。

車内には走行中に郵便物の区分作業を行う作業室と郵袋室があり、車内作業の様子が再現されている。当時郵便車で働いていた人たちが、よくここを訪れるそうだ。そして誰もが必ず「とにかく忙しかった。手を止めて休む暇がなかったよ」と話していくそうだ。

わが国最初の鉄道が1872(明治5)年に品川~横浜間で開業した。この時から郵便輸送も始まり、戦時中の混乱期も乗り越え、高度成長と共に増え続ける郵便物を黙々と運び続けた。今は奥能登のここ能登中島駅で静かに休息中だ。本当にお疲れさま。

能登中島駅で、鉄道郵便車「オユ10」に出会う

能登中島駅で、鉄道郵便車「オユ10」に出会う
懐かしい小包郵便

能登中島駅で、鉄道郵便車「オユ10」に出会う
数人の乗務員がここで黙々と仕分け作業をしていた様子が伺える

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