出生数5年ぶり増加 人口動態発表

厚生労働省は1日、2015年人口動態統計の年間推計を発表した。出生数は100万8000人で、2014年の100万3539人を上回ると推計し、2010年以来5年ぶりに前年比増加となる見込み。ただし、死亡数を差し引いた自然増減数は29万4000人減で、2005年からの減少傾向が拡大する見込みとなる。

出生数は、第二次ベビーブームの1973年をピークに減少傾向にあり、100万人を割る寸前となっていた。自然増減数は、プラスすなわち人口増加を続けていたが、2005年にマイナスに転じた。また、人口1000人に対する出生率は8.0と前年と変わらず低い水準となった。諸外国では韓国8.6、アメリカ12.5(共に2014年数値)、ドイツ8.5、イタリア8.5、フランス12.2、スウェーデン11.8、イギリス12.2、シンガポール10.3(いずれも2013年数値)となっており、日本の出生率の低さは諸外国と比べても最低水準となっている。

政府は2014年に「まち・ひと・しごと創生総合戦略」と題して、雇用・少子化・医療などの本格的な対策を始めた。また2015年4月には地域の子育てへの支援などを定めた「子ども・子育て支援新制度」を本格的に施行していた。今回の出生数増加は、これらの施策の効果もあったとも考えられるが、今後の傾向が注目される。

2015年の推計死亡数は130万2000人で、2009年以降続けて増加となる。結婚数は63万5000件で昨年より減少、離婚数は22万5000件で、昨年より増加の見込み。

(写真はイメージ)

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