400年の歳月を経て蘇る、福井県 一乗谷の城下町を歩く

5月の連休明けの週末、福井県福井市街の東南約10kmに位置する国の特別史跡、一乗谷(いちじょうだに)朝倉氏の遺跡を訪れた。

朝倉氏は1467年(応仁元年)の応仁の乱をきっかけに一乗谷に本拠を移し、越前を5代103年にわたって平定した。この間、京都や奈良の貴族や文化人が訪れ、北陸の小京都と呼ばれるほどに繁栄する。しかし天下統一の刀根坂の戦いで織田信長に敗れ、1573年(天正元年)に織田軍勢によって焼き討ちにあい、三日三晩燃え続けて焼け野原と化した。朝倉氏は滅び、城下町も灰下に埋もれたという。

それからおよそ400年後の1968(昭和43)年から発掘調査が開始され、現在まで40年間以上発掘を続け、近年になり一乗谷川に沿った狭い平地部に築かれていた朝倉氏5代の居城と、武家屋敷、寺院、職人たちの住む町屋の遺構が姿を現わした。戦国時代の城下町跡がそのまま発見されるのは極めて稀だと言われている。

この日は当時の町並みを立体的に復元した武家屋敷跡と町屋を散策した。武家屋敷はその門構えのみ復元され、中は遺構のみだ。職人たちの住居跡を一つひとつ中に入って廻り歩いた。紺屋、数珠屋、鋳物師、刀研ぎ師など、どの家も非常に簡素でほとんどの家が3畳から4畳一間くらいととても狭く、質素な暮らしぶりがうかがえた。また必ず大きな井戸が設置されていた。この地域に流れる一乗谷川までに水を汲みにいくのではなく、家に井戸を掘って直接水を使っていたことが分かる。トイレ(厠)は住居から少し離れた裏庭にあり、便器はとても小さかった。

朝倉氏は5代、約100年にわたって戦国時代という特殊な状況下の中、計画的にこの城下町を築き上げた。400年後、この文化遺産を受け継ぎ、未来に残していこうとする地元の末裔たちの熱い心意気を感じる。
ひと頃テレビCMでも話題になった一乗谷。その川沿いを歩く。新緑が清々しい。

【施設情報】
一乗谷朝倉氏遺跡
福井県福井市城戸ノ内町
TEL:0776-41-2330
http://www3.fctv.ne.jp/~asakura/
開館時間:遺跡/見学自由、復元町並/9~17時(年末年始休館)

400年の歳月を経て蘇る、福井県 一乗谷の城下町を歩く
一部だけ復原された武家屋敷の住居外観

400年の歳月を経て蘇る、福井県 一乗谷の城下町を歩く
職人の住居と店構え 陶器を売る様子

400年の歳月を経て蘇る、福井県 一乗谷の城下町を歩く
朝倉館 唐門(からもん)

400年の歳月を経て蘇る、福井県 一乗谷の城下町を歩く
町屋の外観

 
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