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ご当地自慢を探せ!(5)ドイツの絶品魚料理!マスのグリル

ドイツで暮らしていて、たまに日本に帰国してスーパーに行くと、当たり前のように鮮魚コーナーが充実しているのを見て、めまいがすることがある。日本のスーパーの鮮魚コーナーの品ぞろえの豊富さ、お値段の手ごろさ、そして魚の鮮度は、世界水準の群を抜いていると思う。それに比べてドイツ人にとっての日常的な食生活における魚は、冷凍食品の白身魚のフライやサラダに入れるツナ缶、酢漬けのニシンやスモークサーモンとか、そのあたりだ。

そんなわけで、筆者はドイツの魚料理に関しては期待値ゼロで生きてきたのだが、バイエルン州アルゴイ地方で出会ったのがこのマス料理だった。身の締まったマスのお腹部分に刻んだニンニクとバターを入れ、全身に塩をまぶしてグリルしたこの料理は、魚料理の醍醐味を堪能できる絶品だ。マスは淡水魚だがここで食べたマスは、いわゆる川魚独特のクセやくさみを一切感じさせなかった。それもそのはず、筆者が食べたレストランのある村はマスの養殖で有名な場所で、ここで出されるマスはすべて、さっきまで元気に泳いでいたとれたての新鮮なマスだったのだ。

マスはドイツ語でフォレレ(Forelle)。クラシック音楽好きならば、シューベルトの歌曲「鱒(Die Forelle)」が思い浮かぶのではないだろうか。レストランに向かう途中で、マスの養殖所をのぞく機会があった。夏の光の中で泳ぐマスは、あの曲のメロディーのように本当にきらきらと躍動感にあふれていた。

 
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