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南鳥島沖の海底に、広範なマンガン団塊の存在を発見、JAMSTECなど

日本の最東端として知られる南鳥島周辺の排他的経済水域(EEZ)南部から東部にかけて、水深5500~5800 mの深海底に広くマンガン団塊が分布しているのが見つかった。これまで、日本のEEZでは海山の緩斜面に、コバルトに富んだマンガンクラスト「コバルト・リッチ・クラスト」と共に小規模なマンガン団塊が存在するのは知られていたが、深海底に広く分布しているのが見つかったのは初めて。海洋研究開発機構(JAMSTEC)、東京大学および千葉工業大学などの研究グループの発見で、日本地球化学会が発行する学術雑誌『ジオケミカル・ジャーナル』電子版に8月26日付けで掲載された。

2010年に有人潜水調査船「しんかい6500」の潜行調査で、小海山の斜面に大量のマンガン団塊が密集しているのが発見され、「マンガン団塊の高密集域では海底で音波が強く反射される」という知見が得られた。その後、深海調査研究船「かいれい」および海洋地球研究船「みらい」で音響調査を行い、南鳥島周辺のEEZ南部から南東部の深海底の広い範囲で強い反射域の存在が判明した。そこは昨年度までの調査で、海底下の浅い深度にレアアース泥が存在すると確認された場所と重複する。

「レアアース泥の堆積物上にマンガン団塊が存在することが、海底で音波の強反射を起こした原因であろう」と予想し、今年4月に「しんかい6500」を用いて目視観察で海底のマンガン団塊の有無および分布状況を確認。マンガン団塊およびその直下の堆積物の試料を採取した。その結果、予想通り音波の強反射域でマンガン団塊の存在を確認でき、反射強度の分布に基づいて効率的かつ安価に海底のマンガン団塊の分布を推定できることがわかった。

採取した試料の分析から、南鳥島EEZのマンガン団塊がコバルト・リッチ・クラストと同様にコバルト、ニッケル、銅、モリブデンなどのレアメタルおよびベースメタルが多く含まれること、内部構造が大まかに三層構造を成している特徴も同様であることがわかった。このような特徴の類似性は、南鳥島沖に分布するマンガン団塊とコバルト・リッチ・クラストが、共通の物質や機構によってできた可能性を示す。

マンガン団塊がレアアース泥と分布が重なっており、コバルト・リッチ・クラストと鉱物学的・化学的特徴が似ていることから、これまで個別に議論・検討されてきた三つの海底鉱物資源の成因が、マンガン団塊を手掛かりとすることで包括的に解明できる可能性がある。

画像提供:海洋研究開発機構(JAMSTEC)

 
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