
6月20日「世界難民の日」に考える 日本で暮らす難民背景のある人々
6月20日は「世界難民の日(World Refugee Day)」である。2000年に国連総会で制定され、紛争や迫害によって故郷を追われた人々への理解と支援を呼びかける日として、世界各地でさまざまな取り組みが行われている。
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、2025年末時点で、難民は4160万人、難民認定を求めている庇護(ひご)希望者は900万人、国内避難民は6870万人にのぼる。世界各地で故郷を追われた人々は1億人を超え、その数は日本の総人口にほぼ匹敵する規模となっている。
難民という言葉からは、戦争や紛争から逃れてきた人々を思い浮かべることが多い。しかし、難民となる背景はそれだけではない。政治的な意見を表明したことによる迫害、宗教や民族を理由とした差別や暴力、特定の社会集団に属することによる危険など、さまざまな事情によって自国で安全に暮らすことができなくなるケースがある。
日本でも難民の受け入れは行われている。出入国在留管理庁によると、2025年に難民として認定された人は187人だった。一方で、難民条約上の難民には該当しないものの、帰国した場合に生命や身体への危険があると認められた474人が補完的保護対象者として認定され、さらに525人が人道上の配慮により在留を認められた。
また、日本で暮らす難民の背景のある人々は、難民認定者や補完的保護対象者だけではない。難民認定申請中の人や、人道的配慮によって在留が認められている人のほか、留学や就労などの在留資格で生活している人もいる。
地域でこうした人々と関わる際には、背景への配慮も求められる。出身国や来日経緯、家族の状況などは本人にとってセンシティブな情報である場合がある。中には、自身や家族の安全確保などの理由から、出身国や過去の経験について周囲に詳しく話していない人もいる。本人が話したい範囲を尊重しながら関わることが大切である。
難民問題は遠い国の出来事として語られることが少なくない。しかし実際には、日本の地域社会の中にも難民の背景を持つ人々が暮らし、学び、働いている。
世界難民の日を機に、難民を特別な存在としてではなく、地域で共に暮らす人々の一員として、その背景や置かれた状況に目を向けてみてはいかがだろうか。
(写真はイメージ)

