
近所づきあいが良い人は防災対策の実施割合が高い傾向 東北大が調査
近所づきあいが良いと感じている人ほど、災害への備えを行っている割合が高いことが、東北大学の研究グループによる調査で明らかになった。研究成果は国際学術誌「International Journal of Disaster Risk Reduction」に掲載された。
近年、日本では大規模な自然災害が相次ぎ、防災対策の重要性が高まっている。しかし、災害への備えが年齢や生活環境、地域とのつながりによってどのように異なるのかについて、全国規模で詳しく調べた研究は限られていた。
同研究グループは、全国インターネット調査「JACSIS2023」の回答者28481人のデータを分析。家具の固定や食料・飲料の備蓄、非常用持ち出し袋の準備、家族との安否確認方法の取り決め、自宅や外出先での避難場所・避難経路の把握といった6項目について調査するとともに、地域への愛着や近所づきあいなどとの関連を検証した。
その結果、地域の人への信頼や地域での助け合い、地域への愛着、近所づきあいのいずれについても、「良い」と答えた人は、そうでない人より災害への備えを実施している割合が高かった。
なかでも近所づきあいが良い人は、家族との安否確認方法を決めている割合や、自宅・外出先での避難場所や避難経路を把握している割合が、そうでない人の約1.5倍だった。

一方で、防災への備えには年代や生活環境による違いもみられた。20歳代では6項目すべてで実施割合が全年代の中で最も低く、一人暮らしや未婚者、民間賃貸住宅に住む人、世帯所得が低い人でも、災害への備えを行っている割合が比較的低い傾向が確認された。
全国全体でみると、家族との安否確認方法を決めている人は28.9%にとどまり、最も実施率が高かった食料や飲料などの備蓄でも42.4%だった。

今回の結果について同研究グループは、災害への備えを促すには年齢や所得などの生活条件だけでなく、地域とのつながりにも目を向けた防災施策を検討する重要性を示す基礎的な知見だとした。一方で、本研究は一時点のデータを分析したものであり、近所づきあいの良さが災害への備えにつながるという因果関係を示すものではないとしている。
画像提供:東北大学(冒頭の写真はイメージ)

