AIはAIから学べる? 中国6社を指摘、日本でも大量アクセス

米国家安全保障局(NSA)などは8日、中国のAI企業6社が米国の先端AIモデルの出力を大規模に取得し、自社モデルの開発に利用しているとして警戒を呼びかけた。対象となった6社はDeepSeek、Moonshot AI、Alibaba、MiniMax、StepFun、Z.AIだ。米政府によると、2024年末以降、数百万回のリクエストを通じて数十億に上るトークン(AIが扱う文章などの単位)が取得されたという。

AIは、別のAIから「学ぶ」ことができる?

AIの学習といえば、人間が用意したデータを読み込ませるのが一般的だ。しかし今、AIが別のAIから「学ぶ」手法が注目されている。高性能なAIモデルの出力を利用して、別のAIモデルを学習させる方法を「蒸留」という。「蒸留」自体は、正当なAI研究にも使われている手法だ。今回、米政府が問題視したのは、その大規模な利用である。ただし、これは米政府による主張であり、6社の違法行為が司法判断で確定したという意味ではない。

日本でも発生する情報収集目的の大量アクセス

AIの学習には、別のAIだけでなく、インターネット上の文章や研究情報なども使われている。日本では、科学技術振興機構(JST)が提供する研究者情報の公開サービス「researchmap」で、2025年末ごろからアクセスが急増し、システムへの負荷が増大した。JSTは、その一因として、外部検索エンジンによる情報収集目的の大量アクセスを挙げている。2026年1月からは、取得できる情報の範囲を一部制限した。なお、JSTの発表では、生成AIによるアクセスとは説明されていない。

また、AIによる公開データの利用が、より具体的に確認されている例もある。国立国会図書館によると、「国会会議録検索システム」へのアクセスは2024年度、前年度から40%増加した。最近はAIサービス企業からのアクセスも確認されている。同館は、無料で大量のテキストを取得できることから、AIによる利用もアクセス増加の一因になっている可能性が高いとみている。

公開情報のAI利用は、研究や社会に役立つ可能性がある。一方、大量の機械的なアクセスは情報提供側の負荷になることもある。AIの利用を広げながら、誰が、どのように、どれだけデータを取得するのかを、どう管理するかが、これから重要になりそうだ。

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