THE アジア大学ランキング 東大1位から7位に転落

英国の高等教育情報誌『タイムズ・ハイヤー・エデュケーション(THE)』は21日、アジア大学ランキングを発表した。例年1位だった東京大学は7位に転落。1位は昨年2位のシンガポール国立大学(NUS)、2位は同率でシンガポールの南洋理工大学と中国の北京大学となった。日本の大学は、京都大学が11位(昨年9位)、東北大学が23位(同19位)、東京工業大学が24位(同15位)、大阪大学が30位(同18位)となり、軒並み順位を落とした。日本で国立大学の運営費交付金が削減されたことの影響が出た結果となった。

200位以内に最も多くの大学がランクインした国は日本と中国で、ともに39校だった。しかし100位以内を見ると、中国が22校、日本が14校となった。

トップ20は以下の通り。

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同誌の中で英インスティテュート・オブ・エデュケーションのサイモン・マージンソン教授は、シンガポールや中国で国家が高等教育、特に大学の国際化に力を入れてきたことに言及し、逆に日本については予算削減による影響を指摘している。「日本は国際競争力強化と国際化のための特別資金援助プログラムを行っているが、その規模は小さく、予算削減を補う程度のもので、新たな価値を創造するまでに至っていない」と述べ、「科学の発展と世界クラスの大学を作ることに大きくかつ慎重に投資をする国は、将来的に実力を上げ、認められるようになる」と結論付けている。「日本の大学の国際化が進めば、状況は変わる」という見方がある一方で、「大学の文化は政府の政策では変わらない」という意見もある。

同ランキングの評価指標は昨年と同じく、「教育」「研究」「論文引用数」「国際性」「産学連携収入」。ただし、「教育」と「研究」の中の「研究者による評価」の配点を減らし、研究の生産性や収入に関する指標の割合を上げている。対象国・地域は昨年より8増やして22カ国・地域にし、ランキング対象大学も2倍の200校としている。日本と中国のランクイン大学はそれぞれ全体の約5分の1を占めたこととなる。

なお、アジア大学ランキングは、同じく英国の大学評価機関クアクアレリ・シモンズ(QS)も15日に発表しており、同ランキングでは1位は同様にNUSで、東大は13位となっている。

参考記事
QSアジア大学ランキング、東大13位にダウン 国際性がネック(2016/06/19)
世界大学評判ランキング 東大は12位 アジアが躍進(2016/05/11)
2つのアジア大学ランキング、東大は1位? 12位?「国際性」がカギ(2015/06/22)

(写真はイメージ)

 
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