太平洋諸島フォーラムの現在地――日本が関わる「Blue Pacific」

太平洋諸島フォーラム(Pacific Islands Forum、PIF)は、太平洋地域の島嶼国・地域が共通課題について協議し協力する政府間組織だ。1971年に設立され、現在は16の独立国と2つの地域で構成されている。PIFは「Blue Pacific」という理念を掲げ、地域自身が優先事項を定め、主体的に対応する枠組みを重視してきた。域外の国や機関とは公式の「対話パートナー」制度を通じて関係を築いており、日本を含む21の国と地域が登録されている。

2025年9月にソロモン諸島で開催された第54回PIF首脳会議では、「Blue Pacific Ocean of Peace」宣言が採択され、気候変動が太平洋地域の生活や安全に深刻な影響を及ぼす最重要課題であるとの認識が共有された。併せて、海洋資源の持続可能な利用や経済の強靱化についても議論が行われ、加盟国が連携して対応する姿勢が確認された。対話パートナー制度については、公式文書上、基本原則は維持されているが、協力の実効性や進め方について加盟国間で検討が続いている。

日本、中国、アメリカ、EUはいずれもPIFの公式な対話パートナーだ。日本は気候変動対策、防災、人材育成などを通じ、地域主導を尊重した支援を継続してきた。中国は経済協力やインフラ支援を軸に関与を深めている。アメリカは近年、安全保障、開発支援、気候対応分野での関与を強め、EUも持続可能な開発や制度構築支援を中心に協力を進めている。PIF公式サイトでは各国の具体的支援内容は個別に詳述されていないが、対話パートナーが地域の優先事項を尊重することが制度の前提とされている。 今年パラオで開催予定の第55回PIF首脳会議では、「Blue Pacific 2050戦略」の具体化や気候変動への実践的対応、加盟国間の結束強化が主要議題となる見通しだ。PIFが主体性を保ちつつ、多様な対話パートナーとの協力を調整し、太平洋地域全体として国際社会の課題に向き合うことが、今後の重要な焦点となるだろう。

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