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畳敷きの礼拝堂 津和野カトリック教会

島根県の山間にあり、山陰の小京都と呼ばれる津和野。鎌倉時代から約700年続く、趣深い城下町が残り、古い町並みの面影を感じる殿町通りには、珍しい畳敷きの礼拝堂を持つ津和野カトリック教会がある。1931(昭和6)年にドイツ人のヴェール神父によって建てられたゴシック建築の教会で、内部は畳敷きで美しいステンドグラスが印象的だ。

津和野カトリック教会
美しいステンドグラス

江戸時代に250年以上も続いた厳しいキリシタン迫害を生き抜いた長崎浦上の信徒たちが、「浦上四番崩れ」という弾圧によって流刑されたという、殉教の歴史のある場所。当時の役人たちが、空腹にあえぐ5歳の女の子にお菓子を見せびらかしながら「これを食べたかったら、キリストは嫌いだといいなさい」と強要したが、女の子は「天国の食べ物の味がもっと美味しい」と言って跳ね除けたという話が残っていた。一般の農民であった彼らは拷問を受けても、棄教することはなかったという。

靴を脱いで、畳の上に正座し、深く頭を垂れ、目を閉じると、当時の信徒たちの深い思いが伝わってくるようだった。

津和野カトリック教会
畳敷きの礼拝堂で祈る信徒の姿

【詳細情報】
津和野カトリック教会
島根県鹿足郡津和野町後田ロ66-7
http://www.sun-net.jp/~otome/

 
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