植物の性の進化、ダーウィンの予測をアスパラガスで実証

植物の性の進化、ダーウィンの予測をアスパラガスで実証

アスパラガスの雌雄を決定する遺伝子を、奈良先端技術科学大学院大学らの共同研究グループが発見した。これまで植物の性決定機構はほとんど分かっていなかったが、今回の解析で植物が雌雄を獲得した進化の過程の一端が明らかになった。1月13日付の科学誌『ジーンズ・トゥ・セルズ(Genes to Cells)』に掲載された。

植物は、同一の花におしべとめしべを持つ「両性花」と、雄花のみをつける株と雌花のみをつける株が存在する「単性花」とに分けられる。単性花は、イチョウや、キウイフルーツ、アスパラガスなど約1万5千種あるといわれている。哺乳類と同じように「X」「Y」という2種の性染色体の型の組み合わせによって「性別」が決まり、アスパラガスの場合、XYのとき雄株、XXのとき雌株になる。Y染色体上に、おしべの発達を促進する遺伝子とめしべの発達を抑制する遺伝子が存在すると予測されていたが、その実体は明らかになっていなかった。

今回の解析から、おしべの発達にはY染色体にある「MSE1」という遺伝子が必要であることが明らかになった。また、アスパラガスのX染色体にもMSE1遺伝子は存在するが、遺伝子としての機能が失われていることが確認された。これにより、アスパラガスの祖先は両性花であったが、変異により機能を失ったMSE1遺伝子を持つ染色体がX染色体、正常なMSE1を持つ染色体がY染色体になり、その結果、アスパラガスに雄と雌が誕生したと考えられるという。

進化論で有名なチャールズ・ダーウィンは、両性花の植物が段階的におしべとめしべを失って、現在のような雌雄を持つ植物に進化したと予想しており、今回の研究はダーウィンの予想を初めて実証したことになるという。また、この研究を発展させることで、植物の育種の応用に役立つことが期待される。

(写真はイメージ)

 
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