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NASAが新たに10個の地球型の系外惑星を発表。小さな惑星に2グループの存在を発見

NASA、新たに10個の地球型系外惑星を発表 ケプラー宇宙望遠鏡チーム

米航空宇宙局(NASA)のケプラー宇宙望遠鏡チームは20日、219個の新しい惑星候補を見つけたと発表した。そのうち10個は地球に近い大きさで、惑星表面に水が液体で存在可能な温度となる「ハビタブルゾーン」を周回しているという。また、小さい惑星は岩石惑星とガス惑星の2種類に分かれ、その中間はほとんど存在しないことも判明。生命探索に重要な意味を持つという。

惑星候補のカタログ、最終版へ

今回の発表は、2009年から3年半にわたって観測した、はくちょう座方向の空にある14万5000個の恒星データに基づいている。太陽系外の惑星(系外惑星)候補に関する最も包括的かつ詳細で、8番目となる最終的なカタログだ。

この発表で、ケプラー・ミッションによって同定された惑星候補の数は4034個となった。そのうち2335個が系外惑星として確認済みだ。地球サイズでハビタブルゾーンにある惑星候補はおよそ50個見つかっており、そのうち30個が系外惑星であると確認されている。

惑星は2種類 約半数は生命育めず

さらに、小さな惑星には2つの異なる大きさのグループがあることが分かった。地球サイズの岩石惑星と海王星よりも小さなガス惑星の2グループにきれいに分かれ、その中間サイズの惑星はほとんど見つからなかった。岩石惑星は地球よりも約75%大きいものまでが存在するようだ。惑星の約半数は「ギャップを飛び越えて」、水素とヘリウムの少量を奪って劇的にそのサイズを膨張させ、海王星のサイズに近いグループに加わるようだ。

この結果は、生命の探索に重要な意味を持っている。最終的なケプラーのカタログは、銀河における惑星の存在率と統計情報を決定するためのより多くの研究の基礎となるが、2つの異なる大きさの惑星グループの発見は、銀河の中で知られている惑星の約半数は表面を持っていないか、生命を育むことが困難な深く破壊的な大気の下にあることを示している。

NASAの科学ミッション本部の天体物理学部門でケプラー・プログラムの科学者であるマリオ・ペレス氏は、「地球とほぼ同じ大きさと軌道を持つ、こうした地球にやや似た惑星の集団を含む唯一のものとしてケプラーデータは他に並ぶものがない。銀河における地球に似た惑星の頻度を理解することは、第二の地球を直接画像で捉える将来のNASAのミッション設計の助けになるだろう」と述べた。

ケプラー・ミッションによる惑星候補カタログ詳細
https://www.nasa.gov/ames/kepler/briefing-materials-final-kepler-survey-catalog-of-planet-candidates-in-the-cygnus-field

画像提供:NASA

 
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