遅すぎるグリーン成長 各国進歩見られず

「グリーン成長」鈍化 OECD報告

OECDは20日、1990年から2015年までの経済成長と自然環境への圧迫のバランスについて世界46カ国のランク付けをした『環境成長指標2017年版(Green Growth Indicators 2017)』の新報告書を発表した。同報告書によると、デンマーク、エストニア、英国、イタリア、スロバキアなどヨーロッパ諸国の一部では、2000年以降グリーン成長において大きな進歩が見られたものの、現在の進展は不十分であることが判明した。

グリーン成長とは、再生可能エネルギー、省エネルギーの導入を拡大することで経済成長を促そうとする考え方のこと。同報告書によれば、現状、調査対象となったほとんどの国で、化石燃料の利用や汚染物質排出といった、従来のエネルギー供給から脱却した経済成長を実現できていないという。

環境技術の発明という側面では、2011年以降に鈍化したOECD諸国と比べ、中国とインドが急速に発明の寄与度を拡大している。一方で、両国とも大気汚染という観点で見ると、汚染レベルが非常に高くかつ上昇していた。

OECD環境局長のサイモン・アプトン氏は「ほとんどの国が1つか2つの側面だけは進歩していても、他の部分での進展がほぼ全く見られない」と指摘。また、グリーン成長が停滞している現状から、「成長と環境圧力とのつながりを断ち切ろうとするならば、全体的に取り組みを強化する必要がある」とも主張している。

(写真はイメージ)

 
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