「グローバル人材」企業と大学でミスマッチ 中高なお課題

「グローバル人材」企業と大学でミスマッチ 中高なお課題

総務省は14日、「グローバル人材育成の推進に関する政策評価」を公表した。全体としてグローバル人材の育成は進展しているとされたが、大学における留学の考え方と企業の求める人材のミスマッチが明らかになったほか、中学・高校における外国語教育には課題が残る。

国際競争の激化等を背景として、グローバル人材育成を盛り込んだ第2期教育振興基本計画が2013~17年の期間で策定されている。この計画の中では、外国語教育の強化や留学推進、大学の国際化等を具体策として設定している。企業が海外で事業を展開していく際に必要な人材の確保が大きな目的だ。

同省の調査の結果、グローバル人材は約5割の企業で採用が増加しているが、約7割の企業が海外事業に必要な人材が不足していると回答していた。また、約8割の企業が、語学力や異文化理解力を身につけるためには、6カ月以上の留学経験期間が必要との見解を持つことが分かった。

実際には、日本の大学に籍を置いたまま留学する学生の約8割は6カ月未満の短期留学で、企業が求める人材と合わないことが分かった。約6割は1カ月未満の留学だった。企業は海外事業に携わる場合に必要な語学力、コミュニケーション能力だけでなく、異文化理解の精神や主体性・積極性も求めている。これらの能力を身につけるためには6カ月以上の留学が適切であるとし、企業は海外留学の促進を大学等に求めている。今後は大学と企業とのミスマッチ是正のため、短期留学の位置付けを明確化するという。

国内の大学における外国語教育の強化や、外国人留学生の受け入れ数は促進されており、この面では大学の取り組みは進展しているといえる。

中学・高校においては、英語力の伸びが緩やかで、第2期教育振興基本計画で設定している英検取得率の達成ができていない状況。英語教員の英語力にも課題があるとし、同計画で英検取得目標を掲げているものの、教育現場での認識も十分でないことが分かった。今後は、目標の数値を達成するための具体的な対策、達成状況の把握、教育現場の理解などが求められる。

同計画ではグローバル人材は「日本人としてのアイデンティティや日本の文化に対する深い理解を前提として、豊かな語学力・コミュニケーション能力、主体性・積極性、異文化理解の精神等を身に付けて様々な分野で活躍できる人材」と定義。同政策評価では、海外進出企業980社に対する調査を実施し、実際の人材確保の状況を把握したほか、育成の場となる大学等における取り組みの状況などを調べた。

(写真はイメージ)

 
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