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ドイツで「時間外労働週平均5時間」が問題に?

ドイツで「時間外労働週平均5時間」が問題に?

ドイツ労働の未来研究所(IZA)が、ドイツ人の最近の労働事情について調査を発表した。これによると、ドイツ人の時間外労働平均時間は週5時間。日本人から見ればはるかに恵まれた労働条件だが、これがドイツでは問題視されている。その理由について5日付のヴェルト紙が伝えた。

夜寝る前に翌日のプレゼン資料を作成する、日曜日のうちに仕事のEメールを送っておく、お昼休憩を午後2時半まで取らずに働く……こういった、仕事熱心な人にありがちな働き方は、実はドイツではすべてNGだ。ドイツの労働時間法は、労働時間と労働時間の間に、最低11時間の「仕事をしない時間」がなくてはならないと規定しており、また就業時間中も休憩を取らずに6時間以上続けて働くことを禁じている。

しかし、この労働時間法に反して、仕事とプライベートの時間の境界線がなくなっているケースが増えており、プライベートの時間に仕事のEメールを読む・送る、仕事の電話をする、仕事のための調べものをするといった時間外労働は週平均5時間、8人に1人はこれが11時間に及ぶという。これはIZAが25~54歳の1809人に対してアンケート調査を行なったもので、このうち63%の人がプライベートの時間にも仕事をしていると回答している。

IZAはこの理由として、仕事の形態が変化し、決められた時間外に従来の「仕事場」以外の場所で知識を得たり、人とやりとりしたりすることが増えていることを指摘。「従来の形で労働時間を定めた労働時間法は、もはや時代遅れとなっている」とコメントしている。

(写真はイメージ)