富士通、新薬創出のための分子シミュレーション技術を開発

富士通、新薬創出のための分子シミュレーション技術を開発

富士通研究所は7日、創薬向けの技術として、薬効の目安となるパラメーターの推定誤差を10分の1以下におさえる分子シミュレーション技術を開発したと発表した。

薬効の目安となるパラメーターとは、疾病の原因となるタンパク質(標的タンパク質)と、薬の候補となる化学物質が引き合う強さである結合強度のこと。この結合強度を予測するには、従来は分子内の原子間に働く力を、ニュートン力学により近似的に算出する分子シミュレーション技術を用いていたが、結合部分のねじれ度合いの推定精度が低いため精度がよくなかった。また、量子力学を用いて化合物の性質を予測する計算は、算出のために膨大な時間がかかり実用的でなかった。

今回は、結合部分の近傍の原子の影響を考慮してねじれ度合いを算出するための二面角パラメーターを推定する、新しい分子シミュレーション技術を開発。ねじれ度合いについて推定式をデータベースとして整備することで、従来は正確な算出が難しかったパラメーターについて高精度な推定を可能とした。

190種類の化学物質で、ねじれ度合いの推定値について第一原理計算による結果との誤差を評価したところ、従来技術に比べて平均で10分の1以下となった。今後この技術は、IT創薬(コンピュータを利用した新薬開発手法)への活用が期待できるという。

富士通、新薬創出のための分子シミュレーション技術を開発
分子構造の例:3-(メチルアミノ)ピラゾールの場合

画像提供:富士通(冒頭の写真はイメージ)

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