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AIスピーカーやスマホを使った「落とし物探し」サービス登場

AIスピーカーやスマホを使った「落とし物探し」サービス登場

手に持っていたはずの書類やスマートフォン、財布、傘などをどこかに置き忘れた経験がある人も多いだろう。筆者にも経験があるが、「落とし物」の所在が確認できるまでは、「クレジットカードを止めた方がよいのか」「スマホを指紋認証にしておいてよかった」と考えては、落ち着かない時間を過ごすはず。

警視庁によると、2017年の落とし物の点数は全国で4200万点。これは前年に比べて5.3%増えており、過去最大の数だった。警察署に届けられた拾得物で一番多いのが証明書類で、約70万点。次が有価証券類で約52万点、衣類・履物類が約48万点、財布類が約35万点、傘類が約33万点だった。落とし物の中でも近年、特に数が急増しているのがスマホを含む携帯電話類だ。2017年度の遺失届点数は24万件以上にものぼり、また拾得届点数は15万件を超えている。

このような落とし物、忘れ物の防止や紛失した際に役立つサービスも登場している。

IoT(モノのインターネット)製品開発・サービス会社のMAMORIOが開発した紛失防止タグ「MAMORIO(マモリオ)」もその一つだ。専用のアプリをスマホにインストールして、Bluetooth(ブルートゥース)でペアリングしたタグを所持品に取り付ければ利用できる。マモリオがスマホから離れるとプッシュ通知が送られてきて、最後に離れた場所を地図で確認できるという。例えば、財布にマモリオを入れておき、財布を持たずに自宅を出ると、スマホに通知が届くというものだ。

このマモリオと専用アンテナ「MAMORIO Spot(マモリオスポット)」を使った「お忘れ物自動通知サービス」は、鉄道会社や商業施設で導入が進んでいる。マモリオを取り付けた所持品を紛失した際、その忘れ物がマモリオスポットの設置された駅に届けられる。マモリオスポットによって電波が検知されると、マモリオの位置情報を受信し、自動的に登録者のスマホへ通知されるというものだ。今年4月にはJR九州で、5月からは横浜市営地下鉄・市営バスやサンリオピューロランドでも導入されている。

また、今話題のAIスピーカーを使った落とし物探しサービスもある。米国のベンチャー企業Tileは18日、落とし物を追跡できるサービス「TILE(タイル)」の日本語対応化を発表した。タイルは全世界230カ国・地域で利用されており、累計1500万個以上を販売している。ブルートゥースでスマホと接続し、音を鳴らすことでタイルを取り付けた物品やタイルのアプリをインストールしたスマホを見つけられるというもの。例えば、アマゾンが開発したAI(人工知能)アシスタントAlexa(アレクサ)に「アレクサ、タイルでスマホを鳴らして」と呼びかけると、アプリをダウンロードしたスマホが音を鳴らして、場所を知らせる。また、「タイルで財布の場所を教えて」と呼びかけると、タイルを付けた物品がある場所の住所が通知されるという。

また、JR西日本は24日午前8時からチャットによる忘れ物問い合せ窓口の運用をスタートする。「JRおでかけネット」に設置したチャット窓口でチャットボット(自動応答プログラム)を使って24時間問い合わせを受け付けるほか、オペレーターが対応する電話の問い合せ専用ダイヤルも併用することで、よりスムーズな忘れ物発見のサポートを目指す。チャット窓口開設に伴い、「JR西日本お客様センター」での忘れ物受付業務を終了し、「JR西日本お客様センターお忘れ物専用ダイヤル」を新設して午前8時から午後10時まで、年中無休で対応するという。

思いがけない時に起こる「落とし物」。いざという時に備えて、新しいサービスを試してみるのはいかがだろうか。

(写真はイメージ)