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サッカーW杯、前回覇者ドイツ敗北による経済的損失は…

サッカーW杯、前回覇者ドイツ敗北による経済的損失は…

27日に行われたサッカーW杯ロシア大会のドイツ対韓国戦。グループリーグF組の最終予選となったこの試合でドイツが韓国に0対2で敗北を喫し、ドイツは史上初のW杯予選敗退となった。

この試合に先立ちドイツ経済研究所(IW)は、ドイツ時間では27日水曜日の午後4時にキックオフとなる同試合により、ドイツ経済に膨大な経済的損失が生じる恐れがあると発表した。

今回、グループリーグF組のドイツは、メキシコに1敗、スウェーデンに1勝の勝ち点3で最終試合を迎えた。勝っても引き分けても、決勝トーナメント進出はもう一方のメキシコ対スウェーデン戦の結果次第という状況の中で、「この日の午後4時以降も仕事をする」ドイツ人の割合はわずか30%になるだろうと予想された。IWは、このうち2人に1人が職場で試合を観戦し、平均約1時間、本来すべき仕事を休んだとしたら、ドイツ全体の経済的損失は最大で2億ユーロ(約255億1600万円)に上ると計算。しかし一方で、試合観戦は職場の一体感を高め、従業員のやる気と生産性にも好影響を与えるとし、負の経済効果ばかりではないとも指摘している。ただしこの効果は、ドイツが勝った時の話だ。

東京都港区のドイツ大使館では今回W杯開催に合わせ、ドイツの2連覇を願って大使館入口の門をサッカーのゴールポストに作り変えてしまうという熱狂ぶりだった。同大使館の公式ツイッターでは連日、サッカー関連ツイートを熱くつぶやき、時差を押しての試合中継観戦に職員一同は寝不足気味。「業務に支障をきたすことはないですか?」との質問に対し広報課長のクレープス氏は、「逆にやる気満々で、仕事にも活気が出ています」と豪語していたのだが……。

一方で28日、日本は予選最終戦をポーランドに0-1で敗れながらもぎりぎりで決勝トーナメント進出を果たした。主力メンバーには長谷部誠や香川真司などドイツ・ブンデスリーガで活躍する選手がずらり。ドイツが敗退したショック冷めやらぬ翌日、ドイツ公共放送ZDFの日本対ポーランド戦の実況中継では、「ブンデスリーガでおなじみの顔ぶれが何人もいます」「日本のこのテクニック、ブンデスリーガ仕込みですね」などと解説者の日本コメントにも熱が入った。ここはひとつ、ドイツ大使館も一丸となって日本代表の活躍に望みをつなぎ、W杯ショックで失墜しそうなドイツの経済効果を押し上げてほしいところだ。

*1ユーロ=127.5円で換算
(冒頭の写真はイメージ)