放射性廃液から資源回収 日立が画期的技術を開発

放射性廃液から資源回収 日立が画期的技術を開発

日立製作所は、原子力発電所の使用済核燃料からウランとプルトニウムを回収した後に残る高レベル放射性廃液から、耐火物やセンサー材料などに用いられるジルコニウムを90%以上の高い効率で回収する技術を開発した。5~7日に開催される日本原子力学会2018年秋の大会で成果を発表するほか、特許を国際出願している。

原子力発電所などで生じる放射性廃棄物の放射能低減と資源としての再利用は、世界的な課題となっている。これに対し、内閣府の総合科学技術・イノベーション会議が主導する革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)の1分野、「核変換による高レベル放射性廃棄物の大幅な低減・資源化」で研究開発が進められている。廃棄物から有用元素であるジルコニウムなどを回収し資源として使用する方法や、放射線を長い期間放出し続ける「長寿命核分裂生成物(LLFP)」を取り出して中性子ビームなどを照射することで、短寿命核種もしくは安定核種に変換して放射能を低減する方法の開発などだ。

長寿命核分裂生成物には、セレン79(半減期※29.5万年)、ジルコニウム93(同153万年)、パラジウム107(同650万年)、セシウム135(同230万年)などがある。

今回の研究では、高レベル放射性廃液にモリブデンを添加してジルコニウムを含む沈殿物を生成し、その後、沈殿物とフッ素ガスを反応させることでジルコニウムを回収するプロセスを考案した。開発した技術を検証するため、高レベル廃液に似せた試験溶液を用いてジルコニウム沈殿生成とフッ化分離試験をしたところ、回収率93%でジルコニウムを回収できることを確認した。今後、実際の高レベル廃液を用いた試験などを通じて、技術の確立と実用化を目指すという。

同研究のプログラム・マネージャー藤田玲子氏は、「半減期の長い核分裂生成物の資源化へ向けた大きな一歩となる」とコメントしている。

※半減期=ある元素が放射線を出して崩壊して別の核種に変化し、元の半分になるまでの時間のこと。

放射性廃液から資源回収 日立が画期的技術を開発
画像提供:科学技術振興機構(冒頭の写真はイメージ)

関連記事一覧