微小重力、骨を壊す細胞を活性化 宇宙メダカで確認

国際宇宙ステーション(ISS)で56日間飼育した「宇宙メダカ」は、骨を壊す「破骨細胞」が活性化していたと、東京工業大学の工藤明教授らが英科学誌『サイエンティフィック・レポート』で21日発表した。

宇宙飛行士がISSに長期滞在すると、骨密度が著しく減少することが知られている。これは、地上では破骨細胞による「骨吸収」と骨芽細胞による「骨形成」のバランスが保たれているが、ISSのような微小重力環境ではそのバランスが崩れるためと考えられてきた。しかし、破骨細胞が実際に活性化しているのか、これまでわかっていなかった。

2012年7月にISSの「きぼう」モジュールに水槽を設置し、10月からメダカ24匹を飼育したところ、生体内で特に高密度な歯と骨の周囲にある組織で、ミネラル濃度が56日の間に減少しており、破骨細胞が活性化したと確認できた。蛍光たんぱく質で破骨細胞と骨芽細胞の両方を生きたまま識別できるように遺伝子操作したメダカで観察したところ、破骨細胞の体積は56日の間に増大し、それに伴って破骨細胞が活性化していた。さらに、骨芽細胞と破骨細胞の蛍光は、微小重力にさらされた直後に共に増大していた。このことは、歯と骨の周囲は重力の影響を受けやすい組織であり、骨芽細胞も破骨細胞も直接的に重力の影響を受けている可能性を示す。

微小重力、骨を壊す細胞を活性化 宇宙メダカで確認
きぼうでの飼育開始から55日目(2012年12月19日)の給餌のようす
画像提供:JAXA

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