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植物の痛みを伝えるシグナルの可視化に成功

うまみ成分が植物の痛みを訴える 他の葉が捕食された葉の痛みを感じる

埼玉大学大学院工学研究科の豊田正嗣准教授の研究グループは、植物が幼虫に食べられたときや物理的に傷つけられたときに起こる、長距離・高速カルシウムイオン(Ca²⁺)シグナル伝播の可視化に成功した。またCa²⁺シグナルを発生させるためには、うまみ成分として知られているグルタミン酸が流出し、植物の養分を運ぶ管である師菅等に発現している、グルタミン酸受容体を活性化させる必要があることが分かった。

これまで、脳や神経を持たない植物が、どのように傷つけられたことを感じて全身に瞬時に伝えているのかは不明だった。豊田准教授の研究グループはCa²⁺のバイオセンサーを用いて、シロイヌナズナが幼虫に捕食されたときなどに起こる長距離・高速Ca²⁺シグナル伝播の可視化に成功した。Ca²⁺が到達した葉では、瞬時にジャスモン酸の合成が開始するなど、直接は傷つけられていない葉でも傷害に対する抵抗性が上昇していた。

今回の研究で発見された植物の傷害受容器であるグルタミン酸受容体を活性させるアミノ酸型農薬を開発し、植物に備わっている抵抗性を上昇させることができれば、従来の化学合成農薬よりも環境負荷の少ない農薬の開発につながることが期待される。

画像提供:埼玉大学

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