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実りの秋にリンゴを味わうなら…(アウグスブルク)~ドイツ街めぐり・食めぐり(10)

実りの秋にリンゴを味わうなら…(アウグスブルク)~ドイツ街めぐり・食めぐり(10)

ドイツはジャガイモの国であると同時にリンゴの国でもある。ジャガイモは別名「地のリンゴ」とも呼ばれ、この2つはドイツを代表する2大農産物とも言える。地元産のリンゴがおいしく色づく実りの秋、アウグスブルクの市場、シュタットマルクトを訪れてみた。

実りの秋にリンゴを味わうなら…(アウグスブルク)~ドイツ街めぐり・食めぐり(10)
実りの秋と言えばリンゴ。市場では、近郊農家で取れたリンゴが山積みになる

宗教改革の立役者として知られるマルティン・ルターゆかりの聖アンナ教会。ルターが一時期隠れ住み、その後ドイツで初めてのプロテスタント教会となり、1999年にはカトリックとプロテスタントの歴史的和睦が成された場所だ。この教会のちょうど裏手に、シュタットマルクトはある。新鮮な野菜や果物、肉や魚、チーズなどの屋台や簡易店舗が軒を連ねる「市民の胃袋」的存在で、目玉のひとつが、近郊農家の人たちが自家製野菜や果物、ハチミツなどを直接販売しに来る「農民市」だ。そこで手に入る農産物は季節感満載で値段も安い。

実りの秋にリンゴを味わうなら…(アウグスブルク)~ドイツ街めぐり・食めぐり(10)

実りの秋にリンゴを味わうなら…(アウグスブルク)~ドイツ街めぐり・食めぐり(10)
シュタットマルクトは、ルターゆかりの聖アンナ教会の裏にある

今の季節、市場で圧倒的に幅を利かせているのはやはりリンゴだ。リンゴ農家直売の屋台では10種類くらいのリンゴが並ぶことも珍しくない。日本の紅玉に近い、酸味があってしゃきっとした歯ごたえのエルスター、大ぶりでケーキなどに適したボスコップなど、リンゴの種類ごとに特徴や性質も多彩だ。

実りの秋にリンゴを味わうなら…(アウグスブルク)~ドイツ街めぐり・食めぐり(10)
ドイツのリンゴは多種類で豊富

さらに農民市と合わせてのぞいてみたいシュタットマルクト名物が、ずらりと軒を連ねた地元パン屋の屋台。この一角に、シュトロイゼルクーヘン専門店がある。シュトロイゼルクーヘンとは、ケーキ生地の上にバターと砂糖、小麦粉で作ったそぼろ状のものを振りかけた、極めてシンプルなケーキ。シンプルなだけに、基本的な材料であるバターと砂糖、小麦粉がおいしいかどうかですべてが決まる、ドイツの典型的な「お母さんの手作りケーキ」の一つだ。この店では、季節ごとにシュトロイゼルクーヘンに使われるフルーツが変わるのも特徴。今の季節はやはり自然の甘みと酸味がおいしい、リンゴのシュトロイゼルクーヘンがおすすめだ。

実りの秋にリンゴを味わうなら…(アウグスブルク)~ドイツ街めぐり・食めぐり(10)

実りの秋にリンゴを味わうなら…(アウグスブルク)~ドイツ街めぐり・食めぐり(10)
「お母さんの手作りケーキ」の代表格、シュトロイゼルクーヘン

「たとえ明日、世界が滅びることを知ったとしても、私は今日リンゴの木を植える」
ルターが残したとされる有名な言葉だが、リンゴが豊かに実る秋、その言葉の意味を改めて深くかみしめたくなる。
【店舗情報】
Stadtmarkt
Fuggerstraße 12a
86150 Augsburg
営業時間 7:00-18:00(土7:00-14:00、農民市は7:00-14:00)*日曜休み

(in association with the GNTB/協賛:ドイツ観光局)