続く売り手市場 学生が企業を絞る「厳選就活」の時代へ

マイナビは、国内企業を対象に2019年卒採用の内定状況と2020年卒の採用見通しなどをまとめた「2019年卒マイナビ企業新卒内定状況調査」の結果を発表した。採用充足率は84.4%となり売り手市場が続いており、まだ6割近くの企業が採用を継続していることが分かった。

採用充足率(内定者数/募集人数)は前年を1.4ポイント上回る84.4%となった。直近10年で最低となった2018年卒および2015年卒よりは回復したものの、依然として厳しい状況で、業種別に見るとソフトウエア・通信が77.3%で特に採用充足率が低かった。内々定後の辞退率は「前年より高かった」が34.0%で前年比1.4ポイント減、「前年より低かった」が24.4%で前年比0.4ポイント減と、いずれも微減したものの3社に1社が前年よりも高い内々定辞退率となった。また、調査時には、57.4%の企業が、「今後も採用を継続する」と回答した。

外国人留学生採用についての質問では、「外国人留学生を採用した(する予定)」と回答したのは全体の11.7%で1割程度となった。採用していない理由を聞いたところ、「外国人が活躍できる環境が整っていない」が43.2%、「現場の受け入れ態勢が整っていない」が43.8%と、企業の内部要因によるものが、「日本語能力」の24.7%や「ビザなどの手続きが困難」の14.6%など留学生自身についての要因を上回っていたことが分かった。

今回の調査結果について同社は、就職戦線は学生が受験する企業を絞る「厳選就活」の時代にあるとし、「企業は学生へ魅力を伝え、深いコミュニケーションを築く採用施策が必要」だとした。

調査対象は国内企業3013社、調査期間は2018年9月~2018年10月上旬。

(写真はイメージ)