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6カ国で先行発効 「TPP」で日常生活はどう変わる?【ニュースのコトバ解説】

6カ国で先行発効 「TPP」で日常生活はどう変わる?【ニュースのコトバ解説】

日本や豪州など11カ国が参加する環太平洋経済連携協定(TPP)が12月30日、米国抜きでついに発効しました。この日に先行発行したのは日本のほか、メキシコ、シンガポール、ニュージーランド、カナダ、豪州の計6カ国。域内人口約5億人、国内総生産(GDP)は約10兆ドル(約1100兆円)で、世界の約13%を占める規模になります。TPPとはその名の通り、太平洋に面している国々で経済的な連携・協力を目指す協定です。自由貿易を促進していくため、関税や投資、知的財産などにおける共通ルールとして「21世紀型の新ルール」を設け、巨大な経済圏を作り上げていきます。

このTPPですが、始まりは4カ国であったものの、途中で米国や日本が加わり、その後米国が抜けるなど、今回の発効までに紆余曲折がありました。そこで改めて、本記事でTPPの現状を解説します。

6カ国で先行発効 「TPP」で日常生活はどう変わる?【ニュースのコトバ解説】
茂木敏充経済再生相
 

これまでの変遷

TPP協定は2006年5月にシンガポール、ニュージーランド、チリ、ブルネイの4カ国で発効されました。その後米国が参加を表明したことで、2010年3月より4カ国と共に拡大交渉会合が行われ、日本は2013年7月から交渉に参加しました。日米ほか、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、メキシコ、ペルー、チリ、シンガポール、マレーシア、ベトナム、ブルネイの12カ国で進むと思われたTPPですが、2017年1月にトランプ大統領がTPPからの離脱を決めたため、再度残る11カ国で協議を行い、2018年3月に署名。アメリカを除く11カ国でTPPの発効が進められるようになりました。
 

TPPのメリットとデメリット

TPP協定が発効されると、私たちの生活にどのような影響があるのでしょうか。

メリット

  • 関税が撤廃されることで日本製品の輸出が増える。日本が得意とする自動車関連や工業品、サービス業や日本のブランド力のある食品において、海外での売り上げを伸ばすことができ、国際競争力が高まる。
  • 関税が撤廃されることで、肉・野菜・果物・乳製品などの輸入品が安く手に入るようになる。
  • サービス貿易と投資の自由化ルールにより、日本企業が海外に進出しやすくなる。
  • 知的財産権に関する法が改正されることで、著作権の保護期間が全て70年に延長・統一されるほか、著作権の侵害罪の一部が非親告罪となり、著作権を所有する権利者が訴えずとも警察が動けるようになる。

デメリット

  • 安く輸入された農林水産品によって国産のものが売れなくなり、国内の農業や漁業が打撃を受ける。
  • 安い輸入品に合わせて国産品の価格が下がると、物価が持続的に下がり、デフレ状態になる可能性がある。
  • 遺伝子組換え食品に表示義務がないため、知らぬ間に遺伝子組換え食品を口にする機会が多くなる可能性があり、食の安全性に不安が生じる。

 

関税の引き下がり方

これらのポイントから日本国内では賛否両論がありましたが、特に関税への注目は高く、どの品目の関税が、どの程度撤廃されていくのかが争点となっていました。

関税は対象品目全てがいきなり撤廃・引き下がるわけではなく、発効後すぐに撤廃される即時撤廃品目、4年、6年、8年、9年、10年で撤廃する品目と、品目によって引き下がり方が異なります。詳細は内閣官房のサイトで確認できます。

1月には参加11カ国の閣僚級による「TPP委員会」の初会合が予定されています。新規加盟が見込まれる国・地域への対応が協議されるほか、トランプ大統領が「条件次第で再加盟を検討したい」という発言をしており、今後の動向に注目です。

(冒頭の写真はイメージ)

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