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地域活性の鍵を握る「関係人口」 魅力あふれる福島県川内村の取り組み 前編

地域活性の鍵を握る「関係人口」 魅力あふれる福島県川内村の取り組み 前編

地方創生の取り組みが各地で盛んに行われている昨今、地域の活性化のためには「関係人口」が鍵を握ると言われる。関係人口とは、移住した「定住人口」でもなく、観光に来た「交流人口」でもない、その地域や地域住民と多様な形で関わる人々のことを指す。こうした地域外の人材が地域づくりの担い手となることが期待されるなか、関係人口を増やしている魅力的な村がある。

東京から東北新幹線で約1時間、郡山駅を降り、さらに在来線とバスを乗り継いで1時間半ほどの場所にある、福島県双葉郡川内村を訪れた。
 

山に囲まれ水も豊富な川内村

川内村は、「浜通り」と呼ばれる太平洋側に面したエリアの中部に位置する。村の面積は東京23区のおよそ3分の1、その大部分は山林で占められており、人口2600人ほどの小さな村だ。信号機は村に2カ所のみ、それも本来は不要だが子供の教育のために設置されているというのどかな村だ。

福島第一原子力発電所の30 km圏内に位置しているため、2011年の東日本大地震の際には全村避難を余儀なくされた。しかし実際には放射線量はさほど高くなく、2012年1月の帰村宣言以降、「かえるかわうち」をキャッチフレーズに、復興と新しい村づくりが少しずつ進められている。

地域活性の鍵を握る「関係人口」 魅力あふれる福島県川内村の取り組み 前編
福島の水30選に指定されている千翁せんのう川。大きな一枚岩が連なった上を流れ、水は川底まで透き通っている。

村の魅力は、面積の約9割を占める山林。木が豊富にあり、昔は木炭の一大生産地として栄えた。水資源も豊富で、清流にしか生息しないイワナなどの川魚が多い。また、モリアオガエルの繁殖地として国の特別天然記念物に指定されている平伏へぶす沼があり、自然の豊かさの象徴となっている。モリアオガエルに魅せられて、毎年のように川内村を訪れていた蛙の詩人草野心平しんぺいは名誉村民に任命されており、自身の蔵書を寄贈してできた天山てんざん文庫には、川端康成や武者小路実篤など文化人が集った。天山文庫ができてから50年以上続く天山祭りは、現在も草野を偲んで行われている。

地域活性の鍵を握る「関係人口」 魅力あふれる福島県川内村の取り組み 前編
趣ある茅葺き屋根の天山文庫。秋には庭一面が紅葉の絨毯になるという。

地域活性の鍵を握る「関係人口」 魅力あふれる福島県川内村の取り組み 前編
村の所々に見られるカエルの岩。5月上旬はちょうど桜が見ごろだった。

後編に続く。

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