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グッドデザイン大賞に富士フイルムの「結核迅速診断キット」

グッドデザイン大賞に富士フイルムの「結核迅速診断キット」

10月31日に「2019年度グッドデザイン賞」が発表され、富士フイルムの「結核迅速診断キット」が大賞を受賞した。これは、写真現像の「銀増幅技術」を応用して簡単確実な結核菌検査を実現したもので、発展途上国に多い結核対策として開発された。開発途上国が抱える社会課題の解決に取り組む同社の姿勢が評価された。

今回は4772件の応募の中から過去最多の全1420件が受賞。その中からさらに5件のファイナリストが選ばれ、審査員、受賞者、一般からの投票によってグッドデザイン大賞が決定した。

結核は世界三大感染症の一つで、年間150万人が死亡している疾患。なかでもアフリカや東南アジアなど開発途上国の罹患者が占める割合は、全体の86%に達している。また結核はHIV感染者の死亡の第一原因で、死因の40%となっている。2017年にHIV陽性患者で結核を合併した人の70%以上はアフリカに集中していた。 

2030年までに結核の流行を終結させることは、持続可能な発展のために新たに採用された健康上の目標となっているが、この目標達成は発展途上国での結核予防と医療管理の進展に懸かっていると言える。
 
結核菌検査は喀痰かくたんを検体とした検査が一般的だが、今回大賞を受賞した「結核迅速診断キット」は、同社が写真現像技術で培ってきた「銀増幅技術」を応用して、HIV陽性患者も採取が容易な尿を検体とした検査を実現した。また電力供給などのインフラが安定していない開発途上国向けに電源や機器が不要となる仕様で、検査者の技能を問わず簡単に操作できるように工夫されたデザインになっている。

同キットはWHOが認定する審査基準の一つであるEU/IVDDへ2018年12月に適合しており、現在は開発途上国への供給に向けてWHOの推奨を取得するための臨床評価を各国の研究機関にて実施している。現時点では日本国内での発売の予定はない。

画像提供:富士フイルム

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