5Gを国内4社に割り当て IoT時代の新たなコミュニケーションツールに

5Gサービス26日開始 通信大手3社が出そろう

KDDIは23日、5Gサービスを今月26日からスタートすると発表した。これでNTTドコモ、ソフトバンクと並び通信大手3社とも5Gサービスの市場に出そろったことになる。5Gとは「5th Generation(第5世代移動通信システム)」の略で「高速・大容量」、「低遅延」、「多数接続」を可能にすることを特徴としており、私たちの通信環境に大きな変容をもたらすと期待されている。現在大手各社は5Gの普及に向けて競い合っており、5G対応の機種と料金プランを発表したほか、5Gにより可能となる様々なコンテンツが紹介されている。5Gサービスの全容や、5Gの開始によって私たちの通信環境が具体的にどのように変化するのかをまとめていく。
 

各社の料金プランとデータ容量比較

KDDIの5Gの料金プランは、4Gと比較すると1000円高くなるが、8月末までに加入すれば25カ月間1000円引きで利用できる「5Gスタートキャンペーン」により、実質的には4Gとほぼ変わらない料金水準で利用可能だ。これはソフトバンクも同様だが、ソフトバンクはデータ容量が月50GBであるのに対し、KDDIは上限なしとなっている。ドコモは4Gと比較すると5Gでは500円追加されるが、データ容量は月60GBから月100GBに拡大し、さらに当面はキャンペーンによりデータ利用の上限を撤廃し使い放題としている。なお、5G対応の機種はKDDIが7機種、ドコモは6機種、ソフトバンクは4機種を予定している。
 

5Gによって楽しめる新たなコンテンツ

5Gになると高速で大容量のデータの送受信が可能となるため、様々な視点からの映像を楽しむマルチアングル視聴や、VR・ARなどの仮想現実といったコンテンツが楽しめるようになる。音楽ライブを会場外からでも臨場感ある形で楽しめたり、サッカーや野球などのスポーツを自由なアングルで観戦したり、アニメの世界によりリアルに入り込めたりなど、スマホでできることが広がっている。
 

今後の拡大に向けた注目点はエリアとビジネス活用

現状5Gが使えるエリアは限られており、KDDIは今年3月末時点では全国15都道府県の一部エリアで利用可能、2021年の3月末までには1万局を整備する予定としている。ドコモは3月末時点で羽田空港やオリンピック施設など150カ所で利用可能であり、6月時点で全都道府県での導入、2020年度中に全政令指定都市を含む500都市規模での展開を目指すとしている。ソフトバンクは東京都心部の主要ターミナル駅でもカバーされているエリアは少なく、夏以降の対応となっている。いずれもまだ使用できるエリアは限られており、これが広がっていくことで5G利用者の増加が見込まれる。また、自動運転や遠隔医療などビジネスでの利用も期待されている。

KDDIの髙橋社長は「デジタルフォーメーションが進み、ビジネスが変わる。ビジネスモデルが変わっていくということが非常に大事だ」と語った。KDDIでは遠隔での機械整備、物流の高度化、工場のスマートファクトリー化の促進などで、他業界と協業しながら5G活用の実証実験を進めているという。

(写真はイメージ)