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急勾配の険しい路線をひた走る、眺望列車「天空」

秋晴れの10月、和歌山県の高野山から下る南海電気鉄道「天空」に乗った。まずは高野山駅からケーブルカーに乗り、標高867mから535mの極楽橋駅まで高低差332mを一気に下降。「天空」の乗車区間はここから19.8km先の橋本駅までだ。急カーブが連続する山岳路線は別名ZOOMCAR(ズームカー)と呼ばれている。呼び名の由来は険しい山岳区間から平坦区間まで、広い範囲で速度制御ができる性能を持つため、広範囲に焦点を変えられるカメラのズームレンズにたとえてそう呼んでいる。最急勾配は50‰(パーミル)。これは1000m進むと50m昇降する急勾配を表している。曲線半径も100mとかなり小さい。つまり「天空」は急勾配と急カーブが連続する眺望列車なのだ。もとは大阪と高野山をつなぐ高野線の急行列車だったものを再創造した、2200系の列車だ。

車両の鮮やかな緑色は、奥深い自然が広がる世界遺産・高野山をイメージしたデザイン。車両は4両で、うち2両が座席指定となる。指定席車内は景色を楽しめる西側に大きく3つの窓があり、ワンサイドのカウンター席とその後ろに一段高いベンチ席、コンパートメントのボックス席もある。急勾配と急カーブを激しく体感することを期待していたが、意外と滑らかだ。車体が身体をしっかり支えてくれているから、そう感じるのかもしれない。ゆっくり、のんびり山あいを走る。澄んだ空気を感じる。わずか40分間であったが、天空を走る旅を満喫した。

急勾配の険しい路線をひた走る、眺望列車「天空」
指定座席車内。眺望を楽しめるワンサイドカウンター席と一段高い後部ベンチ席。弁当を食べながら天空の旅を楽しむ姿。

急勾配の険しい路線をひた走る、眺望列車「天空」
コンパートメントのボックス席

急勾配の険しい路線をひた走る、眺望列車「天空」
展望デッキは窓が空いている。レールの音や澄んだ空気を体感できる。向かい側は急行列車「こうや」。

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