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「こうのとり」9号機、打上げ成功 H-IIBロケットで最後

宇宙ステーション補給機「こうのとり」 最後の打上げも成功

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、宇宙ステーション補給機「こうのとり」9号機(HTV9)を、種子島宇宙センターからH-IIBロケットのシリーズ最後となる9号機により、21日2時31分00秒に打ち上げることに成功したと発表した。25日の国際宇宙ステーション(ISS)到着に向け、順調に飛行している。

HTV9は、HTV6より4回に分けて計画通りに輸送してきた新型のISSバッテリー、窒素タンク、宇宙飛行士の食料・水などISSの運用に欠かせない物資のほか、「きぼう」日本実験棟で行われる実験機器や、「きぼう」有償利用の機器などを搭載している。また、HTV9に設置したカメラで撮影した映像をWireless LAN通信を経由してリアルタイムでISSに伝送する技術の軌道上実証も行う。

「こうのとり」はH-IIBロケットにより打ち上げられる無人の宇宙船で、最大6トンの補給物資を地上約400km上空の軌道上にあるISSに送り届けることができ、最大級の物資補給量を有している。補給が済むと用途を終えた実験機器や使用後の衣類などを積み込み、大気圏に再突入して燃やす。15カ国が協力するISS計画において、ISSの運用・維持には欠くことのできない重要な役割を担ってきたが、HTV9でシリーズ最後となる。

「こうのとり」の後継機として、現在、新型宇宙ステーション補給機「HTV-X」の開発が進められている。「HTV-X」は、「こうのとり」の開発や今回の9号機までの打上げ・運用を通じて蓄積してきた技術や知見を活かし、輸送能力・運用性を向上させた新たな補給船として、今後のISSへの補給を引き継ぐ予定。さらには、国際協力で開発を進める月周回ステーション「Gateway」への補給も担うべく、国際間での調整を進めているという。

「こうのとり」を打ち上げてきたH-IIBロケットも、2009年の初号機打上げから今回の9号機まですべての打上げに成功し、ISSへの物資輸送という重要な責務を果たしてきた。このH-IIBロケットやH-IIAロケットで培ってきた技術力を結集し、日本の次期基幹ロケットとして「H3ロケット」の開発を進めており、今年度の試験機初号機の打上げを目指している。

また今回の打上げは、世界的に新型コロナウイルスの感染が拡大し、経済活動や社会生活にも甚大な影響を及ぼす中、感染拡大防止に最大限努めつつ、関係者が一丸となって準備を進めてきたという。その打上げ準備作業中、医療従事者等への感謝の気持ちを現し、H-IIBロケット9号機をブルーにライトアップした。

「こうのとり」9号機、打上げ成功 H-IIBロケットで最後
画像提供:JAXA